上告理由書提出期限を一日徒過したため上告却下を言渡された事例
判旨
上告理由書の提出期限は民事訴訟規則等の規定に基づく法定期限であり、期限を徒過して提出された上告理由書は不適法として上告却下の対象となる。
問題の所在(論点)
上告理由書の提出期限を徒過して提出された理由書および具体的記載を欠く上告状による上告の適法性(民事訴訟法旧398条、旧399条1項2号、現行民訴法315条・316条1項1号相当)。
規範
上告理由書の提出期間は、民事訴訟規則等の規定により定められた不変期間に近い性質を有する法定期限であり、特段の事情がない限り、期限内に具体的理由を記載した書面を提出しなければならない。具体的記載を欠く上告状のみでは、適法な理由の提示があったとは認められない。
重要事実
上告代理人に対し、昭和37年3月7日午前10時5分に上告受理通知書が送達された。これに対し、具体的理由を記載した上告理由書が原裁判所に提出されたのは、提出期限である同年4月26日を徒過した翌日の4月27日19時5分であった。なお、上告状にも「上告理由」の記載はあったが、その内容は具体的ではなかった。
あてはめ
本件における提出期限は、通知受領日から起算して昭和37年4月26日までである。しかし、上告理由書の提出は翌27日であり、法定期限を徒過している。また、期限内に提出された上告状には理由の記載があったものの、具体的ではないため、規則所定の記載要件を具備したものとは評価できない。したがって、適法な期間内に有効な上告理由が提示されたとはいえない。
結論
本件上告は理由書提出期限の徒過および上告状の記載不備により、不適法として却下される。
事件番号: 昭和27(オ)850 / 裁判年月日: 昭和29年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件上告は、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律の定める上告理由のいずれにも該当せず、法令の解釈に関する重要な主張も含まないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決を不服として上告を申し立てたが、提出された論旨の内容が上記特例法に定める要件を満たしているか…
実務上の射程
上告審の手続教示における期間遵守の重要性を示す。実務上、上告受理通知後の期間管理は厳格であり、1日の遅延や、期限内の不十分な記載(いわゆる「骨子」のみで具体性を欠くもの)が致命的な不利益を招くことを再確認する際の論拠となる。
事件番号: 昭和37(ヤ)37 / 裁判年月日: 昭和39年3月24日 / 結論: 破棄自判
適法な期間内に上告理由書の提出があつたにもかかわらず、上告受理通知書の送達日時に誤記のある送達報告書に依拠し、十分な職権調査を尽すことなく、期間徒過の提出と判断して上告却下の判決をした場合は、民訴法第四二〇条第一項第九号の再審理由にあたる。
事件番号: 昭和25(オ)333 / 裁判年月日: 昭和26年2月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が上告理由書を提出すべき法定期間内にこれを提出しないときは、上告裁判所は判決をもって上告を却下しなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和25年10月11日に最高裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた。しかし、上告状には上告理由の記載がなく、かつ、当該通知を受けた日から30日以…
事件番号: 昭和37(オ)1019 / 裁判年月日: 昭和39年9月15日 / 結論: 破棄差戻
大阪市内の郵便局に書留速達郵便物として差し出した控訴状が、通じて四日を費して名古屋市内の裁判所に配達され、控訴代理人の予知できない事情に基づく郵便物延着の疑をさしはさみうるにかかわらず、この間の事情を審究せず、右郵便物配達の時にはすでに控訴期間が経過していたとの理由で、控訴を不適法として却下した判決には、審理不尽の違法…