口頭弁論期日において訴訟代理人に次回期日の告知がなされた後、訴訟代理人が辞任しても、右期日の告知の効力は本人に及ぶから、その出頭なくして期日を開き弁論を終結しても違法でない。
口頭弁論期日告知後の訴訟代理人の辞任と右期日告知の効力
民訴法154条,民訴法125条1項
判旨
訴訟代理人に対してされた口頭弁論期日の告知は、その後に当該代理人が辞任したとしても、本人に対してその効力を維持する。
問題の所在(論点)
訴訟代理人に対してなされた期日の告知の効力は、その後の代理人の辞任によって消滅するか。また、代理人不在のまま期日を進行し弁論を終結させることは違法か。
規範
訴訟代理人に対して適法になされた期日の告知は、代理権の消滅(辞任等)によってその効力を失うものではなく、本人に対しても有効である。
重要事実
控訴審の第4回口頭弁論期日において、裁判所は控訴人(上告人)の訴訟代理人に対し、次回(第5回)期日を昭和36年2月23日午後1時とする旨を告知した。しかし、その告知後に当該訴訟代理人が辞任した。第5回期日において、控訴人および新たな訴訟代理人は出頭しなかったが、原審はそのまま期日を開始して弁論を終結させた。
事件番号: 昭和37(オ)664 / 裁判年月日: 昭和38年3月29日 / 結論: 棄却
適式に期日の告知を受けた訴訟代理人が期日前に辞任した場合、改めて当事者本人に対する期日呼出をする必要はない。
あてはめ
本件において、原審は第4回期日の際、当時の訴訟代理人に対し、第5回期日を適法に告知している。告知の時点で代理権が存在していた以上、当該告知は有効に成立している。その後、訴訟代理人が辞任したとしても、既に発生した期日告知の効力が遡及的に失われることはなく、本人に対してもその効果は及んでいる。したがって、第5回期日に控訴人側が出頭しなかったとしても、受訴裁判所がそのまま弁論を終結させる手続に違法はないと解される。
結論
適法な期日告知がなされた以上、その後の代理人の辞任は告知の効力に影響しない。したがって、不出頭のまま弁論を終結した原審の判断に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
訴訟代理権の消滅と期日告知の効力に関する基本判例である。代理人に対する告知が本人への告知としての効力を有することを確認するものであり、訴訟遅延防止の観点からも、辞任によって期日指定の効果がリセットされないことを示している。答案上は、手続の適法性が争点となる場面で、代理権消滅後の期日進行の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)776 / 裁判年月日: 昭和32年4月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】口頭弁論期日に当事者が不出頭であっても、裁判所は常に期日を変更したり弁論を再開したりする義務を負わない。特に、代理人の辞任届が期日後に提出されたような場合において、不出頭のまま弁論を終結した手続に違法はない。 第1 事案の概要:上告人の代理人は、原審における第1回口頭弁論期日(昭和31年6月14日…