家事審判法第二六条第二項は、出訴期間の定めのある事件について訴を提起する場合に、あらかじめ調停の申立をしたことによつて生ずる出訴期間経過の不利益を除去するための規定であり、調停申立の時を基準としてその後に提起される訴の土地管轄を定める趣旨を含まない。
家事審判法第二六条第二項の法旨
家事審判法26条2項
判旨
人事訴訟の土地管轄を定める基準時は、調停申立ての時ではなく、訴えの提起時である。家事審判法(現家事事件手続法等)の規定は出訴期間の不利益を除去する趣旨に留まり、管轄基準時を前倒しするものではない。
問題の所在(論点)
調停前置主義が適用される人事訴訟において、訴えの土地管轄の基準時を、現実の訴え提起時ではなく、先行する調停申立ての時と解することができるか。旧家事審判法26条2項(現人事訴訟法等に関連)の解釈が問題となる。
規範
人事訴訟における土地管轄の基準時は、原則通り訴え提起の時によるべきである。調停前置主義に基づく調停の申立てがあった場合でも、そのことによって土地管轄の基準時が調停申立ての時に遡及して定まるものではない。
重要事実
上告人は、昭和34年9月16日に岐阜地方裁判所へ離婚訴訟を提起した。しかし、当該訴追提起時において、被告(被上告人)の住所地は大牟田市(福岡県)にあった。上告人は、あらかじめ調停の申立てをしていたことから、調停申立時を基準に管轄が認められるべきである旨を主張して上告した。
あてはめ
家事審判法26条2項は、出訴期間の定めがある事件について、あらかじめ調停を申し立てたことによって生じる出訴期間経過の不利益を回避するための救済規定である。同規定は土地管轄の基準時を定める趣旨まで含むものではない。本件では、訴え提起時において被上告人の住所は大牟田市にあり、岐阜地方裁判所には管轄権がない。調停申立ての事実があるからといって、管轄基準時が変更されることはない。
結論
本件離婚訴訟を岐阜地方裁判所に提起したのは管轄違いであり、上告を棄却する。
実務上の射程
人事訴訟法における管轄の基準時を「訴えの提起時」とする原則を確認した判例。家事事件手続法や人事訴訟法下においても、調停と訴訟の管轄が必ずしも一致しない実務上の留意点を示す際に引用される。
事件番号: 昭和24(オ)261 / 裁判年月日: 昭和27年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】原判決の事実認定に経験則違反、採証法則違反、または審理不尽が認められない限り、上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の事実認定に経験則違反、採証法則違反、および審理不尽があるとして、詳細な独自の見解を展開して上告を提起した(事案の具体的な背景事実は判決文からは不明)。 第…