判旨
詐害行為取消の訴え(民法424条等)において、債務者を共同被告とする必要はなく、受益者または転得者のみを被告とすれば足りる。
問題の所在(論点)
詐害行為取消の訴えにおいて、債務者は被告(相手方)として含まれる必要があるか(被告適格および必要的共同訴訟の成否)。
規範
詐害行為取消の訴えを提起する場合、債務者から財産を譲り受けた受益者またはその転得者を被告とする。債務者を被告に加える必要はなく、固有必要的共同訴訟ではない。
重要事実
債権者である被上告人が、債務者D・E・Fによる詐害行為を理由として、受益者である上告会社(被告)に対して詐害行為取消の訴えを提起した。これに対し被告側は、本訴訟は債務者をも相手方とすべき必要的共同訴訟であり、受益者のみを被告としたのは不適法であると主張して上告した。
あてはめ
判例(大審院明治43年(オ)第148号)の法理を維持し、詐害行為取消権の行使においては、受益者または転得者のみを相手方とすれば足りる。本件において、被上告人が債務者Dらを除き、受益者である上告会社のみを被告として訴えを提起した手続に違法は認められない。
結論
詐害行為取消の訴えにおいて債務者を被告とする必要はなく、受益者のみを被告とした訴えは適法である。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決の法理は民法改正後も424条の7第1項として明文化されており、実務上、債務者は被告とはならない。答案上は、被告適格の有無を検討する際に「判例・実務上、受益者または転得者のみが被告となり、債務者は被告適格を有しない」と記述する際に用いる。
事件番号: 昭和39(オ)336 / 裁判年月日: 昭和42年3月2日 / 結論: その他
不動産登記の抹消登記手続を求める訴は、たとえ、右抹消登記の実行が不可能であつても、それがため、訴の利益を失うものではない。