商法上の会社設立登記を経由しないかぎり、右公司に独立の法人格は認められない。
G聯合会に「公司創立登記」を了した股・有限公司は日本国内法上法人格を有するか。
民法36条,商法482条
判旨
日本国内で事業を営む目的で設立された団体であっても、商法上の設立登記を経ていない限り独立の法人格は認められず、その取引上の責任は名義人たる個人が負担すべきである。
問題の所在(論点)
日本国内で事業を営む目的で設立されたが設立登記のない団体の法人格の有無、および当該団体名義で行われた取引の帰属先(契約主体)。
規範
日本国内において事業を営むことを目的として設立された団体であっても、わが国の商法に基づき会社の設立登記を経由していない場合には、独立の法人格を認めることはできない。また、権利能力なき社団としての実質を備えていない限り、当該団体を取引の主体と解することはできず、営業名義人や取引の態様から判断される個人が、契約上の責任を負担する。
重要事実
上告人は、ダンスホール「D」の営業名義人として官憲に届け出ていた。被上告人(売主)がDに対して酒類等を売り上げた際、上告人は自らその債務を負担することに異議を述べず、個人として一部を弁済し支払猶予を求めていた。上告人は、Dの経営者は外国法人または権利能力なき社団である「F有限公司」であり、自身はその代表者に過ぎないと主張した。しかし、同公司はG連合会に登記されていたものの、国内での設立登記はなく、後に解散していた。また、同公司が権利能力なき社団としての実質を備えているとも認められなかった。
あてはめ
まず、F有限公司はわが国での事業目的がありながら商法上の設立登記を経ていないため、独立の法人格を持つ「会社」とは認められない。次に、同公司は権利能力なき社団としての実質も備えていない。一方で、営業名義が上告人個人で届け出られていること、および上告人が債務の一部を個人として弁済し、猶予を求めていた事実に照らせば、上告人は単なる代表者ではなく、個人として本件売買の買主責任を負うべき経営者であると評価できる。
結論
F有限公司に法人格は認められず、上告人個人が本件売掛代金債務の帰属主体として、その支払義務を負う。
実務上の射程
実務上、未登記の団体や実体のない名称を掲げて取引が行われた場合、誰が契約主体であるかを認定するための判断材料となる。特に、行政への届出名義や、取引後の債務承認・一部弁済といった事後的な挙動が、契約主体の認定における重要な間接事実となることを示している。
事件番号: 昭和32(オ)330 / 裁判年月日: 昭和35年2月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した者は、当該営業が自己の営業であると誤信して取引をした相手方に対し、当該取引によって生じた債務について弁済の責任を負う。 第1 事案の概要:上告人は、京都府知事から「E」という商号による医薬品販売の許可登録を受けていた。上告人は、訴外Dに対し、自己の…