当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法を主張して、本来の当事者が上告申立をしても、右違法の主張は、上告理由とならない(昭和三五年(オ)第二一三号同三七年五月二九日第三小法廷判決、民集一六巻五号一二三三頁参照)。
当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法は本来の当事者の上告理由になりうるか。
民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
判旨
口頭弁論終結後に独立当事者参加の申立てがあっても、裁判所は弁論を再開してその許否を判断する義務を負わず、そのまま本案判決を言い渡すことができる。また、土地管理者の承認を得て植林をした者は、民法242条但書により立木の所有権を取得し得るが、土地自体の所有権を取得する根拠にはならない。
問題の所在(論点)
1. 口頭弁論終結後の独立当事者参加申立てに対し、裁判所は必ず弁論を再開してその許否を判断しなければならないか。2. 管理者の承認を得て土地に植林をした者は、民法242条に基づき土地の所有権を取得できるか。
規範
1. 口頭弁論を再開するか否かは裁判所の裁量に委ねられており、終結後の独立当事者参加申立てについて判断することなく本案判決を言い渡したとしても違法ではない。2. 民法242条但書に基づき、権原によって附属させた物の所有権は附属させた者に帰属するが、これにより不動産(土地)自体の所有権が移転・取得されることはない。
重要事実
上告人Aと被上告人B1・B2間の訴訟において、原審の口頭弁論終結後、訴外Dが独立当事者参加を申し立てるとともに弁論再開を申請した。しかし、原審は参加申立の許否を判断せず、弁論も再開しないまま本案判決を言い渡した。また、Dは、土地所有者B1の管理人B2の承認を得て当該山林に植林したことを根拠に、民法242条を援用して土地の所有権を主張した。
事件番号: 昭和35(オ)774 / 裁判年月日: 昭和38年10月1日 / 結論: 棄却
第二審口頭弁論終結後に弁論再開の申請とともに当事者参加の申出があつた場合、本来の訴訟について弁論を再開することなく、そのまま判決し、参加申出については、これを分離して却下の判決しても違法でない。
あてはめ
1. 弁論再開は裁判所の専権的な裁量事項であり、本件において終結後の参加申立を放置して判決を言い渡したとしても、上告人がこれを違法として攻撃することは許されない。2. 民法242条但書の適用により、植栽した立木が「権原」に基づく附属物としてDに帰属する可能性はあるが、同条は不動産への付合に関する規定であり、附属させた者が不動産そのものの所有権を取得する効果を認めるものではない。
結論
1. 弁論再開の判断は裁判所の裁量に属し、原審の措置に違法はない。2. 民法242条により土地の所有権を取得するという主張は、同条の解釈を誤ったものであり、認められない。
実務上の射程
民事訴訟法上の論点としては、独立当事者参加の時期制限(終結まで)と弁論再開の裁量を裏付ける。民法上の論点としては、242条但書の「権原」の効果が附属物に限定され、不動産本体の帰属に影響を与えないことを明示する際に有用である。
事件番号: 昭和32(オ)325 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
事件番号: 昭和32(オ)543 / 裁判年月日: 昭和35年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所は、訴訟が判決をなすに熟すると認めるときは職権で弁論を終結させることができ、一度終結した弁論を再開するか否かは裁判所の合理的な裁量に委ねられる。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)において新たな主張および証拠(新主張・新証拠)の提出を予定していたが、原審裁判所は訴訟が裁判をなすに熟し…
事件番号: 昭和28(オ)369 / 裁判年月日: 昭和30年5月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】他人の土地に植林をした者が立木の所有権を取得するためには、民法242条ただし書にいう「権原」に基づき附属させたことが必要であり、所有権取得の事実がない限り当該権原は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、本件山林を贈与または取得時効により取得したと主張して、当該山林に植林した立木の所有権を主張…
事件番号: 昭和37(オ)745 / 裁判年月日: 昭和39年2月6日 / 結論: 棄却
立木法の適用を受けない立木の買受人がこれに明認方法を施さないうちにこれを伐採した場合、右買受人は、当然伐木の所有者となるけれども、立木当時既に明認方法の欠点を主張しうべき正当の利益を有した第三者に対する関係においては、伐木所有権をもつて対抗できない。