第二審口頭弁論終結後に弁論再開の申請とともに当事者参加の申出があつた場合、本来の訴訟について弁論を再開することなく、そのまま判決し、参加申出については、これを分離して却下の判決しても違法でない。
第二審の口頭弁論終結後判決言渡前になされた当事者参加の申出の効力。
民訴法73条,民訴法133条,民訴法380条
判旨
口頭弁論終結後の当事者参加の申出に対し、弁論を再開するか否かは裁判所の裁量に委ねられており、再開せずに参加訴訟を分離して不適法却下することは適法である。
問題の所在(論点)
口頭弁論終結後になされた当事者参加の申出に対し、裁判所が弁論を再開せずに参加訴訟を分離して却下することが許されるか。弁論再開の義務の有無が問題となる。
規範
口頭弁論終結後に弁論再開の申請とともに当事者参加の申出がなされた場合、裁判所は当然に弁論を再開すべき義務を負うものではなく、弁論を再開するか否かは専ら裁判所の合理的な裁量に委ねられる。
重要事実
本件山林の所有権をめぐる訴訟において、原審の口頭弁論が終結した後、上告人は弁論再開の申請とともに当事者参加(民事訴訟法47条)の申出を行った。原審裁判所は、本案訴訟について弁論を再開することなく判決を言い渡し、その後、上告人の参加申出については本案訴訟から分離した上で、不適法として却下する判決を言い渡した。これを不服とした上告人が、分離して却下した措置の違法を訴えて上告した。
事件番号: 昭和35(オ)775 / 裁判年月日: 昭和38年10月1日 / 結論: 棄却
当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法を主張して、本来の当事者が上告申立をしても、右違法の主張は、上告理由とならない(昭和三五年(オ)第二一三号同三七年五月二九日第三小法廷判決、民集一六巻五号一二三三頁参照)。
あてはめ
当事者参加は、他人間の訴訟が継続していることを前提に、その審理を完結させる前に行われるべきものである。本件では、原審が口頭弁論を終結させた後に参加の申出がなされており、裁判所が適正かつ迅速な審理の観点から弁論を再開する必要がないと判断した以上、その裁量は尊重される。したがって、弁論を再開せず、本来の訴訟につき判決を下した上で、参加申出を分離して不適法として却下した原審の措置に違法はない。
結論
口頭弁論終結後の当事者参加申出に基づく弁論再開は裁判所の裁量事項であり、再開せずになされた参加申出の却下判決は適法である。
実務上の射程
本判決は、当事者参加のみならず、独立当事者参加や補助参加等、審理への介入が「訴訟の係属中」を要件とする場面全般に応用可能である。答案上は、弁論終結後の参加申出を「時機に後れた」ものとして処理する裁判所の裁量的権限を基礎づける根拠として活用する。
事件番号: 昭和32(オ)543 / 裁判年月日: 昭和35年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所は、訴訟が判決をなすに熟すると認めるときは職権で弁論を終結させることができ、一度終結した弁論を再開するか否かは裁判所の合理的な裁量に委ねられる。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)において新たな主張および証拠(新主張・新証拠)の提出を予定していたが、原審裁判所は訴訟が裁判をなすに熟し…
事件番号: 昭和34(オ)212 / 裁判年月日: 昭和36年3月16日 / 結論: 棄却
所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。
事件番号: 昭和40(オ)463 / 裁判年月日: 昭和42年6月27日 / 結論: 棄却
単に「やむをえぬ出頭不能の事情が発生した」というだけでは、民訴法第一五二条第五項にいう「顕著ナル事由」にあたらない。
事件番号: 昭和39(オ)1074 / 裁判年月日: 昭和40年10月19日 / 結論: 棄却
一 上告人(控訴人)訴訟代理人の所為が、上告理由第一点記載の通りであつたか否かを問わず、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、民訴法第一二七条の釈明権の行使として、当事者に対し、所論のごとき処置を採るべき裁判所の義務は存しない。 二 当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、証拠調の施行など、裁判所が職権で施行すべき手…