一 設立せんとする宗教法人の規則を認証するにつき、所轄庁は、いわゆる実質的審査権限を有しない。 二 宗教法人所定の公告の場所は、当該宗教法人の事務所にのみ限定されるわけではない。
一 宗教法人の規則認証と実質的審査権限の有無 二 宗教法人所定の公告の場所
宗教法人法14条1項,宗教法人法13条,宗教法人法12条2項,同法附則5項
判旨
宗教法人の規則認証申請において、所轄庁の審査権限は形式的審査に限り、公告は認証申請の1か月以上前に相当期間行えば足り、かつ事務所掲示以外の適当な方法によることも認められる。
問題の所在(論点)
宗教法人法に基づく規則の認証手続において、①所轄庁に実質的審査権限があるか、②公告期間として1か月間の継続が必要か、③事務所掲示以外の公告は適法か。
規範
1.所轄庁の審査権限:宗教法人法14条に基づく規則の認証審査は、申請書類の記載に基づき同条1項各号の要件を備えているかを判断する形式的審査で足り、それ以上の実質的審査権限を有しない。 2.公告の要件:同法12条2項・3項の公告は、認証申請の1か月以上前に「相当期間」行うことで足り、1か月間継続することを要しない。また、公告場所は事務所に限定されず、信者等に周知させるに適当な方法であれば足りる。
重要事実
旧宗教法人から新法上の宗教法人となるための規則認証申請において、上告人(反対派)が以下の違法を主張した。①所轄庁が実質的審査を行わずに認証した点、②規則案の公告が1か月間継続されず10日間(5月1日から10日まで)のみであった点、③公告が当該寺院の事務所以外の場所で行われた点。
事件番号: 昭和35(オ)29 / 裁判年月日: 昭和35年8月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】無効確認の訴えが適法であるためには、確認の対象となるべき具体的な権利または法律関係が存在し、かつ、その無効確認を求める法律上の利益または必要性が認められなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、何らかの行為(詳細は判決文からは不明)の無効確認を求めて訴えを提起した。これに対し、原審は、確認の…
あてはめ
1.審査権限:法14条の規定に照らせば、所轄庁は書類上の形式的要件を審査すれば足り、実質的審査を行う義務はないため、本件認証に違法はない。 2.公告期間:法12条3項は申請の1か月前までに公告することを求めているが、本件では申請の1か月以上前に「10日間」行われており、相当期間の公告として適法である。 3.公告場所:法12条2項は「信者その他の利害関係人に周知させるに適当な方法」を許容しており、事務所以外の場所への掲示も適法な公告に該当すると評価できる。
結論
本件規則の認証は適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
行政庁の裁量権や審査権限の範囲が争われる事案において、形式的審査にとどまるべきとする「形式的審査権説」の根拠として引用できる。また、手続的適正が争点となる場面で、公告期間や方法の柔軟な解釈を示す基準となる。
事件番号: 昭和37(オ)939 / 裁判年月日: 昭和38年6月20日 / 結論: 棄却
消極
事件番号: 昭和34(オ)1215 / 裁判年月日: 昭和36年3月3日 / 結論: 棄却
農地所有権が登記簿上の住所から転居した際、郵便局にその旨届出をしておいたため、買収令書の交付に代る公告が行われた昭和二四年三月三一日当時においては、登記簿上の旧住所あての郵便物は転送されすべて新住所で受領されており、買収計画に関する同年二月二一日附の県農地委員会の訴願裁決書(あて先は、いつたん旧住所を記載の上新住所に訂…