寺院の檀徒もしくは檀徒総代たる地位において所轄庁のした寺院規則の認証の無効確認を求める訴訟は、原告の死亡により、当然終了する。
寺院の檀徒もしくは檀徒総代の提起した寺院規則認証無効確認訴訟と原告の死亡による訴訟承継の成否
民訴法208条,宗教法人法14条,宗教法人法14条附則5項
判旨
寺院の檀徒および檀徒総代の地位は一身専属的なものであり、これらの地位に基づいて提起された訴訟は当事者の死亡によって当然に終了する。
問題の所在(論点)
寺院の檀徒および檀徒総代の地位が相続の対象となるか。また、これらの地位に基づき提起された認証無効確認訴訟が、当事者の死亡によって当然に終了するか。
規範
当事者の死亡による訴訟の承継(民事訴訟法124条1項1号等)の可否は、訴訟の目的たる権利関係が相続の対象となるか否かによって決まる。権利関係が教義の信奉等の主観的要件や特定の地位に基づく選任を要する一身専属的なものである場合、相続人は当該地位を承継する適格を有さず、訴訟は終了する。
重要事実
上告人(知事)が宗教法人C寺の規則を認証したことに対し、同寺の檀徒かつ檀徒総代であると主張する被上告人らが、作成手続の瑕疵を理由に認証の無効確認を求めて出訴した。しかし、上告審係属中に被上告人らが相次いで死亡したため、訴訟の承継が可能かが問題となった。
あてはめ
まず、檀徒の地位は教義の信奉を要件とするものであり、性質上相続の対象とはなりえない。また、祭祀主宰者が当然に承継する慣習も認められない。次に、檀徒総代の地位は、規則上、檀徒のうちから住職により選任されるものとされており、一身専属的な地位であると認められる。したがって、本件訴訟の原告適格を支える地位は相続人に承継されず、死亡により後任者が選任される檀徒総代についても法令上の承継根拠が存在しないといえる。
結論
被上告人らの死亡により、その相続人が訴訟を承継する適格を有しないため、本件訴訟は当然に終了する。
実務上の射程
行政訴訟における訴えの利益や当事者適格の承継に関する判断指針となる。特に宗教的地位などの一身専属的な法的地位に基づく争訟においては、相続による承継が否定され、訴訟が当然終了する場合があることを示す。答案では、処分の性質から原告の地位が相続可能かを検討する際に参照すべきである。
事件番号: 昭和35(オ)620 / 裁判年月日: 昭和37年6月26日 / 結論: 棄却
一 設立せんとする宗教法人の規則を認証するにつき、所轄庁は、いわゆる実質的審査権限を有しない。 二 宗教法人所定の公告の場所は、当該宗教法人の事務所にのみ限定されるわけではない。
事件番号: 昭和43(オ)723 / 裁判年月日: 昭和43年12月20日 / 結論: 棄却
養親の実子は、養親死亡後養子を相手方として養子縁組無効の訴を提起する訴の利益を有する。
事件番号: 昭和43(行ツ)68 / 裁判年月日: 昭和46年11月30日 / 結論: 棄却
甲乙丙三者間において中間省略登記の合意が成立した場合においても、中間者乙は、当然には甲に対する移転登記請求権を失うものではない。