夫婦の一方が他方を相手方として提起した婚姻無効確認請求訴訟は、原告の死亡により、当然終了する。
夫婦の一方が提起した婚姻無効確認請求訴訟における原告の死亡と訴訟の帰すう
民法742条,民訴法208条1項,人事訴訟手続法2条1項
判旨
婚姻無効確認請求権は請求権者の一身に専属する権利であり、相続の対象とならないため、上告審係属中に請求者が死亡した場合には訴訟は当然に終了する。
問題の所在(論点)
婚姻無効確認訴訟の継続中に原告が死亡した場合、相続人や検察官による訴訟承継が認められるか、あるいは訴訟が当然に終了するか。
規範
婚姻無効確認請求権は、請求権者の一身に専属する権利であって相続の対象となり得ない。また、請求権者が死亡した場合における訴訟承継に関する特段の法的規定も存在しない。したがって、婚姻無効確認訴訟の係属中に原告(請求者)が死亡したときは、検察官を相手方として受継させる余地はなく、当該訴訟は当然に終了する。
重要事実
被上告人が上告人(配偶者)に対し、婚姻届出が自己の意思に基づかず婚姻意思を欠くとして婚姻無効確認を求めた事案。第一審及び控訴審を経て、本訴が最高裁判所に係属した後に、被上告人が死亡した。
あてはめ
本件における婚姻無効確認請求権は、婚姻という身分関係の本質に鑑み、被上告人の一身に専属する権利であると解される。そのため、被上告人の死亡により当該請求権は相続人に承継されない。また、現行法上、本件のような場合に検察官を相手方として訴訟を継続させる旨の特別規定も存在しない。ゆえに、被上告人の死亡によって本訴の当事者適格を承継すべき者は存在せず、訴訟は当然に終了したものと判断される。
結論
本件訴訟は、原告である被上告人の死亡と同時に終了したため、その旨を宣言する判決を下す。
実務上の射程
人事訴訟法制定前の判例であるが、一身専属性を理由とする訴訟終了の原則を示したものとして重要である。実務上、形成の訴えや確認の訴えにおいて、権利の性質が相続に馴染むか否かを検討する際の基礎となる。なお、現行の人事訴訟法の下では、検察官を相手方とする訴訟承継規定の有無と、権利の一身専属性の解釈を組み合わせて論じる必要がある。
事件番号: 昭和31(オ)1062 / 裁判年月日: 昭和32年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】人事訴訟手続法(当時)に基づき地方裁判所の専属管轄とされる訴えは、家事審判法等により家庭裁判所の管轄に属せしめられた事項に当たらない限り、地方裁判所において審理されるべきである。 第1 事案の概要:被上告人(原告)が本訴を提起したところ、上告人が本件は家庭裁判所において審理されるべきものであると主…