判旨
口頭弁論期日において決定された判決言渡期日の告知は、当該期日に欠席した当事者に対しても有効である。また、裁判所は契約がいずれの典型契約に該当するかを必ずしも審査すべき義務を負うものではない。
問題の所在(論点)
1. 口頭弁論期日で決定された判決言渡期日の告知は、欠席当事者に対しても有効か。 2. 裁判所は事実認定に際し、契約が典型契約のいずれかに該当するかを審査する義務を負うか。 3. 判決が裁判をなすに熟していない段階でなされたものといえるか。
規範
1. 最終口頭弁論期日において決定・告知された判決言渡期日は、当該期日に欠席した当事者に対してもその効力を生ずる。 2. 裁判所は、認定した事実関係に基づき当事者の請求や主張を判断するに際し、必ずしも当該契約が特定の典型契約(委任等)に該当するか否かを審査しなければならないものではない。
重要事実
上告人は被上告人らに対し、本件店舗の引渡しおよび使用収益をさせていると主張したが、第一審および原審は、証拠に基づきその事実を否定した。また、判決言渡期日の告知が欠席した当事者にも有効かが争われたほか、甲第4号証の契約が委任契約に該当するかを審査すべきか等が問題となった。
あてはめ
1. 判決言渡期日の告知について、口頭弁論期日での告知は欠席者にも及ぶとするのが判例の趣旨であり、変更の必要はない。 2. 事実認定において、甲第4号証の記載からは第三者に所有権や使用権が留保されていると読み取れ、上告人が引渡し等を行った事実は認められない。 3. この判断に際し、当該契約が「委任」という典型契約に該当するかを個別に審査しなくても、認定事実に照らせば結論を導くのに十分である。 4. 記録上の訴訟経過に鑑みれば、判決は十分に裁判をなすに熟した段階で行われたと認められる。
結論
判決言渡期日の告知は有効であり、事実認定および契約の法的性質の審査過程に違法はない。上告棄却。
実務上の射程
手続面では、適法な期日告知があれば当事者の出欠を問わず判決が可能であることを示す。実体面では、要件充足の判断において、契約の名称や典型契約の分類に拘泥せず、契約書等の証拠から直接認定される事実関係に基づいて法律効果を判断できることを示唆している。
事件番号: 昭和30(オ)912 / 裁判年月日: 昭和32年2月26日 / 結論: 棄却
適法な呼出を受けながら当事者双方が判決言渡期日に出頭しない場合に、言渡が延期され次回の期日が指定告知されたときは、その新期日につき告知の効力を生ずる。
事件番号: 昭和32(オ)665 / 裁判年月日: 昭和36年4月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決言渡期日に出頭した当事者に対し、延期後の新期日を告知した場合には、その場にいなかった不出頭の当事者に対しても告知の効力が生じる。 第1 事案の概要:控訴審において、昭和32年2月1日の口頭弁論に出頭した被控訴人(上告人)代理人に対し、裁判所は判決言渡期日を同年2月15日と指定告知した。その後、…
事件番号: 昭和33(オ)882 / 裁判年月日: 昭和36年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判上の和解において建物の明渡猶予期間を定め、その期間中に家賃相当額を損害金名義で支払う旨の約定がなされたとしても、直ちに賃貸借契約が成立したものとは認められない。したがって、当該和解に基づく占有に対して借家法(現:借地借家法)の適用はない。 第1 事案の概要:当事者間で建物の明渡等について裁判上…