罹災建物の敷地と同一性の認められない地域については、それが近接した場所であるなど所論のような事情のもとでも罹災都市借地借家臨時処理法二条による賃借権を取得できない。
罹災建物の敷地と同一性の認められない地域については罹災都市借地借家臨時処理法二条による賃借権を取得できないとされた事例
罹災都市借地借家臨時処理法2条
判旨
罹災都市借地借家臨時処理法2条に基づく賃借権の取得は、罹災建物の敷地と異なる場所については、賃貸人の承諾がない限り認められない。
問題の所在(論点)
罹災都市借地借家臨時処理法2条に基づき、罹災建物の敷地とは異なる土地について賃借権を取得しうるか。
規範
罹災都市借地借家臨時処理法2条の規定によれば、罹災建物の敷地と異なる地域について新たに賃借権を取得するためには、賃貸人による当該地域の賃貸に関する承諾が必要である。
重要事実
本件土地は、昭和20年8月15日頃に被控訴人(地主)から控訴人に対し一時的に使用貸借されたものであった。その後、控訴人は罹災建物の敷地とは異なる「甲地域」について、同法2条に基づき賃借権を取得したと主張したが、被控訴人が当該地域の賃貸を承諾した事実は認められなかった。
あてはめ
本件において、控訴人が主張する「甲地域」は、本来の罹災建物の敷地とは異なる場所である。同法2条を適用して借地権を認めるには賃貸人の承諾が不可欠であるが、原審において被控訴人が甲地域を賃貸することを承諾した事実は認められないと判断されている。したがって、法律の規定による当然の権利取得は認められない。
結論
地主の承諾がない以上、罹災建物の敷地と異なる地域について賃借権を取得することはできない。
実務上の射程
戦後の特殊な時限立法に関する判例であるが、借地権の範囲や場所が争点となる事案において、法令に基づく権利取得であっても、その対象が元の範囲を超える場合には賃貸人の合意(承諾)を要するという一般原則を確認する際に参照しうる。
事件番号: 昭和27(オ)82 / 裁判年月日: 昭和29年7月6日 / 結論: 破棄差戻
罹災都市借地借家臨時処理法第二条第一項但書にいう「建物を築造するについて許可を必要とする場合」とは、警察目的等のために建物を築造するについて事前に許可を要するというような場合をさすのではなく、一定の土地の境域内における建物の建築が一般的に制限されており、ただ許可があるときのみ特にその建築が許される場合を意味する。
事件番号: 昭和39(オ)754 / 裁判年月日: 昭和41年5月17日 / 結論: 棄却
臨時農地等管理令第七条の二及び第五条の各規定は取締規定であり、右各条所定の地方長官の許可は農地の賃貸借の有効要件ではない。