判旨
裁判所が訴訟手続の中止を決定した後、中止の理由となった事由が解消した場合には、当事者の申立てに基づき速やかに期日を指定すべきであり、適切な手続経過を辿っている限り憲法等に違反する違法はない。
問題の所在(論点)
訴訟手続の中止決定後、その事由が消滅した際の手続再開において、裁判所の期日指定等の措置に怠慢や違法があるといえるか、またそれが憲法違反を構成するか。
規範
訴訟手続の中止決定がなされた事案において、中止事由の解消後に適法な期日指定申立がなされた場合、裁判所は遅滞なく弁論期日を指定し、当事者双方に呼出状を送達して手続を再開すべきである。この過程で裁判所に怠慢や違法が認められない限り、裁判を受ける権利等の侵害には当たらない。
重要事実
控訴申立後、控訴人代理人が簡易裁判所への調停申立を理由に訴訟手続中止申請を行い、裁判所は中止決定をした。その後、調停が取下げにより終了したことを証明して被控訴人から期日指定申立がなされたため、裁判所は約3か月後の口頭弁論期日を指定し、期日呼出状を双方当事者に送達した。上告人は、この期日指定に至るまでの裁判所の措置に違法があるとして上告した。
あてはめ
本件では、控訴提起後速やかに最初の期日が指定されていたが、上告人側の申請により中止決定がなされた。中止事由である調停が終了した後、相手方からの期日指定申立に対し、裁判所は約3か月先の期日を定め、適法に呼出状を送達している。このような一連の経緯に鑑みれば、裁判所の措置には遅滞や怠慢は認められず、手続は適正に進行していると評価できる。
結論
裁判所の措置に違法や怠慢は認められない。したがって、憲法違反をいう上告の前提を欠き、上告は棄却される。
実務上の射程
訴訟遅延を理由とする憲法32条(裁判を受ける権利)違反や民訴法上の違法を主張する場合の限界を示す。当事者自身の申請に基づく中止や、中止解消後の合理的な期間内での期日指定であれば、裁判所の怠慢とは評価されないことを確認する事案として活用できる。
事件番号: 昭和30(オ)238 / 裁判年月日: 昭和32年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】適式の呼出を受け次回期日の指定があった事案において、資料の添付がない期日変更申請を却下して口頭弁論を終結させることは、防御権の侵害にあたらず適法である。 第1 事案の概要:上告人らは控訴審の第1回口頭弁論期日に適式な呼出を受け、同日の弁論に支障はなく次回期日の指定も受けた。しかし、上告人らは期日変…