判旨
特別都市計画法に基づく換地予定地指定処分がなされても、従前の土地所有者は使用収益権を失うにとどまり、所有権自体は喪失しないため、不法占有者に対し所有権に基づく明渡請求をすることができる。
問題の所在(論点)
換地予定地の指定処分を受け、従前の土地の使用収益権を失った所有者は、なお当該土地の所有権に基づき不法占有者に対して明渡請求を行うことができるか。
規範
換地予定地指定処分があった場合、従前の土地所有者は当該土地に対する使用収益権の行使を停止されるが、所有権そのものは依然として保持する。
重要事実
土地所有者である被上告人は、特別都市計画法に基づき、所有する本件土地について換地予定地の指定を受けた。その後、正当な権原なく本件土地を不法に占有している上告人等に対し、被上告人が所有権に基づき土地の明渡しを求めて提訴した。
あてはめ
被上告人は換地予定地指定処分により、本件土地の使用収益権の行使を停止された状態にある。しかし、同処分は所有権の喪失までをもたらすものではない。したがって、被上告人は依然として本件土地の所有権を有しており、不法占有者である上告人らに対して所有権の権能を行使し得る立場にある。
結論
被上告人は依然として本件土地の所有者であるから、不法占有者である上告人らに対し、所有権に基づき本件土地の明渡しを請求することができる。
実務上の射程
土地区画整理法等の換地処分に類する事案において、使用収益権の制限と所有権の帰属を区別する際の基礎的な判断枠組みとして活用できる。物権的請求権の行使には、必ずしも現実の使用収益権を要しないことを示す射程を持つ。
事件番号: 昭和34(オ)269 / 裁判年月日: 昭和36年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別都市計画法に基づく換地予定地の指定を受けた者は、従前の土地の所有権に基づき、換地予定地を不法に占有する第三者に対して所有権に基づく物上請求権と同様の請求を行うことができる。 第1 事案の概要:被上告人らは、特別都市計画法に基づく換地予定地の指定を受けた土地の権利者(従前の土地の所有者)である。…
事件番号: 昭和27(オ)1293 / 裁判年月日: 昭和29年10月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地所有者は、特別都市計画による換地予定地の指定がなされたとしても直ちに土地の所有権を失うものではなく、依然として当該土地の不法占拠者に対して明渡しを請求することができる。 第1 事案の概要:土地所有者である原告が、被告による土地の不法占拠に対し、所有権に基づき当該土地の明渡しを求めた。これに対し…
事件番号: 昭和37(オ)225 / 裁判年月日: 昭和39年9月18日 / 結論: 棄却
真宗大谷派の末寺であつて寺院規則を有しない寺が解散する場合には、総代の同意を得て、住職の承継者と目すべきものに残余財産を帰属せしめるという事実たる慣習が存在する。
事件番号: 昭和36(オ)696 / 裁判年月日: 昭和37年3月23日 / 結論: 棄却
賃貸借の対象たる土地に対し、土地区画整理法に基づき換地予定地の指定がなされた結果、賃借人が従前の土地の使用収益を禁じられ、換地予定地の使用収益すべきことになつたとしても、これによつて従前の土地の賃貸借そのものが消滅に帰したわけではなく、その約定賃料もまた換地予定地の地積いかんにより当然増減するものではない。
事件番号: 昭和32(オ)375 / 裁判年月日: 昭和33年9月11日 / 結論: 棄却
特別都市計画法(昭和二一年法律第一九号)による土地区画整理のための換地予定地を不法に占有する者がある場合、従前の土地所有者はこれに対し所有権にもとづく物上請求権と同様の権利を行使し得るものと解すべきである。