特別都市計画法(昭和二一年法律第一九号)による土地区画整理のための換地予定地を不法に占有する者がある場合、従前の土地所有者はこれに対し所有権にもとづく物上請求権と同様の権利を行使し得るものと解すべきである。
換地予定地の不法占有者に対する従前の土地所有者の権利。
特別都市計画法(昭和21年法律19号)13条,特別都市計画法(昭和21年法律19号)14条
判旨
換地予定地の指定を受けた者は、従前の土地の所有権に基づき、換地予定地を不法に占有する第三者に対して所有権に基づく物上請求権と同様の権利を行使できる。
問題の所在(論点)
換地予定地の指定を受けた従前の土地の所有者が、換地予定地を不法に占有する第三者に対し、直接、建物収去土地明渡請求をなし得るか。
規範
換地予定地の指定の通知があった場合、その土地について従前の土地の権利内容たる使用収益と同じ使用収益をなす権利が認められる。従前の土地の権利が所有権である場合、換地予定地に対する使用収益権は所有権と同一の内容を有するため、第三者が権原なく占有する場合には、所有権に基づく物上請求権と同様の権利を行使し得る。
重要事実
特別都市計画法(現在の都市計画法・土地区画整理法に関連)に基づき、土地の所有者(被上告人)に対して換地予定地の指定通知がなされた。指定通知当時、当該換地予定地は空地であったが、その後、第三者(上告人ら)が当該土地を占有した。所有者は、占有者らに対し、所有権に基づく物上請求権に準じて建物の収去および土地の明渡しを求めて提訴した。
事件番号: 昭和34(オ)269 / 裁判年月日: 昭和36年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別都市計画法に基づく換地予定地の指定を受けた者は、従前の土地の所有権に基づき、換地予定地を不法に占有する第三者に対して所有権に基づく物上請求権と同様の請求を行うことができる。 第1 事案の概要:被上告人らは、特別都市計画法に基づく換地予定地の指定を受けた土地の権利者(従前の土地の所有者)である。…
あてはめ
法(特別都市計画法14条1項)は、換地予定地の指定通知により従前の土地と同様の使用収益権を認めている。本件において、被上告人は従前の土地の所有者であるから、換地予定地についても所有権と同一内容の使用収益権を取得しているといえる。また、指定通知の当時、本件土地は空地であり、適法に使用収益を開始できる状態にあった。したがって、正当な権原なく占有を続ける上告人らに対し、被上告人は所有権に準ずる権利の行使として明渡しを請求することが認められる。
結論
換地予定地の指定を受けた所有者は、不法占有者に対し、所有権に基づく物上請求権と同様の権利として建物収去土地明渡請求をなし得る。
実務上の射程
現行の土地区画整理法においても、換地予定地の指定により従前の土地の所有者は使用収益権を取得する(同法100条1項)。本判決は、この使用収益権が物権的性質を有し、第三者に対する物上請求権が認められることを明らかにしたものであり、土地区画整理事業に関連する妨害排除請求の根拠として答案上も活用できる。
事件番号: 昭和34(オ)883 / 裁判年月日: 昭和35年11月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】仮換地等の指定を受けた権利者が取得する使用収益権は、従前の権利が所有権である場合にはこれと同視すべきものであり、不法占拠者に対してその使用収益権を債権者代位により行使することが認められる。 第1 事案の概要:訴外Dは、従前の宅地の所有者として土地区画整理法(当時は特別都市計画法)に基づき本件換地予…
事件番号: 昭和37(オ)225 / 裁判年月日: 昭和39年9月18日 / 結論: 棄却
真宗大谷派の末寺であつて寺院規則を有しない寺が解散する場合には、総代の同意を得て、住職の承継者と目すべきものに残余財産を帰属せしめるという事実たる慣習が存在する。
事件番号: 昭和50(オ)940 / 裁判年月日: 昭和50年12月25日 / 結論: 棄却
土地区画整理法による土地区画整理のための換地予定地を不法に占有する者がある場合、従前の土地所有者は、これに対し所有権に基づく物上請求権と同様の権利を行使することができると解すべきである。
事件番号: 昭和33(オ)711 / 裁判年月日: 昭和35年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】競落許可決定により土地の所有権を取得した者は、建物保護法1条(現借地借家法10条1項)に基づく借地権の対抗を受ける「第三者」に含まれる。 第1 事案の概要:被上告人(賃借人)は、昭和21年頃に建物所有目的で本件土地を賃借し、昭和27年10月に土地上の建物について所有権保存登記を経由した。その後、上…