自己資金のみで貸付をする貸金業者の行為は、商法第五〇二条第八号のいわゆる営業的商行為たる「銀行取引」にあたらない。
貸金業者の金銭貸付行為は商行為か
商法502条8号
判旨
自己資金のみで貸付を行う貸金業者の行為は、商法502条8号に規定される「銀行取引」には該当せず、営業的商行為とは認められない。
問題の所在(論点)
自己資金のみを原資として金銭の貸付を行う貸金業者の行為が、商法502条8号所定の「銀行取引」として営業的商行為に該当するか。また、貸金業の届出があることをもって直ちにその行為が商行為となるか。
規範
商法502条8号にいう営業的商行為としての「銀行取引」とは、単に金銭を貸し付ける行為を指すのではなく、広く一般から資金を吸収し、これを運用する行為を伴うものをいう。したがって、自己資金のみを原資として貸付を行う行為は、同号の「銀行取引」には該当しない。
重要事実
上告人は、旧貸金業等の取締に関する法律3条に基づき貸金業の届出を行い、受理されていた者であった。上告人は金銭の貸付業務を行っていたが、原審によれば、上告人が自己資金以外の資金を他から集めて貸付に充てていた事実は証拠上認められなかった。上告人は、貸金業者が営業として行う貸付行為は当然に商行為にあたると主張して上告した。
あてはめ
本件において、上告人は自己資金のみで貸付を行っており、他から資金を集めてこれを貸し付けていた事実が認められない。そのため、上告人の行為は「銀行取引」としての実態を欠いている。また、貸金業の届出が受理されているという形式的事実があるとしても、それによって直ちに個別の金融行為が商行為としての性質を具備することにはならない。したがって、本件契約は商行為にはあたらないと評価される。
結論
自己資金のみで貸付を行う貸金業者の行為は商行為ではなく、本件貸付契約は商行為に該当しない。
実務上の射程
商法上の「銀行取引」の定義を限定的に解釈する際や、貸金業者による貸付が商法上の商行為(およびそれに伴う商事時効等)の適用を受けるか否かを検討する際の判断枠組みとして機能する。自己資金のみの貸付は、相手方が商人でなければ、原則として民事上の行為として扱われる。
事件番号: 昭和38(オ)237 / 裁判年月日: 昭和40年3月19日 / 結論: 棄却
公正証書には担保物件として土地および建物を供した旨の記載があるのに、その作成を嘱託した委任状には単に建物を供した旨の記載があるにすぎない場合にも、真実該公正証書記載どおりに作成すべき権限を有していたのに土地の記載を脱落したものであることが明らかなときは、右瑕疵は該公正証書の無効をきたす重大なものとは解されない。
事件番号: 平成14(受)297 / 裁判年月日: 平成15年3月25日 / 結論: その他
郵便局に所属する保険外務員が,簡易保険の契約者に対し,他の顧客に届けるべき満期保険金を盗まれ,これをその日のうちに届けなければ勤務先に発覚して免職になるなどの虚偽の事実を述べ,同契約者が簡易保険の契約者貸付けの方法により借り受けた資金の融通を受けることによって同契約者に加えた損害は,民法715条1項にいう「被用者カ其事…