判旨
見本売買において、引き渡された商品の品質や性能が見本と同一であれば、売主は債務を履行したものと認められ、瑕疵の存否は事実認定の問題に帰着する。
問題の所在(論点)
見本売買において、引き渡された目的物が見本と同一の品質・性能を備えている場合に、当該目的物の瑕疵を理由とする債務不履行の成否が争われた。
規範
見本売買における売主の債務履行の成否については、現実に引き渡された目的物が、示された見本と同一の品質および性能を備えているか否かによって判断される。契約内容に適合する品質が具備されている以上、特段の事情がない限り、履行の提供は適法である。
重要事実
被上告人(売主)が上告人(買主)に対し、パチンコ機械を販売した。買主側は、引き渡されたパチンコ機械の性能に重大な欠陥があったと主張したが、原審は証拠に基づき、引き渡された機械がすべて見本と同じ品質・性能を備えていたと認定した。
あてはめ
原審が認定した事実によれば、被上告人が引き渡したパチンコ機械はすべて見本と同一の品質および性能を備えていた。買主は性能の重大な欠陥を主張するが、これは原審の適法な事実認定に反する主張であり、規範に照らせば、見本と同一の品質を備えた商品の引渡しは契約の本旨にかなった履行であるといえる。
結論
引き渡された目的物が見本と同一の品質・性能を備えている以上、不完全履行等の債務不履行は成立せず、上告は棄却される。
実務上の射程
見本売買における「品質の合致」に関する事実認定の重要性を示す。答案上は、種類物債務の特定や契約不適合責任(民法562条以下)の場面で、見本が「契約の内容」を画定する基準となることを論証する際に活用できる。
事件番号: 昭和33(オ)305 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原判決の証拠取捨や事実認定の非難に帰する場合、それは適法な上告理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人らは、原判決が行った証拠の取捨、判断、および事実の認定に誤りがあるとして上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):事実認定や証拠の取捨選択に対する不服申し立てが、適法な上告理…