判旨
仮執行免脱宣言の申立ては判決事項の申立てであるため、口頭弁論終結時までに陳述される必要があり、終結後の申立てに基づき裁判をしなかったとしても違法ではない。
問題の所在(論点)
仮執行免脱宣言の申立てについて裁判をするために、当該申立てはどの時点までになされる必要があるか。口頭弁論終結後の申立てに対し裁判をしなかったことの適法性が問題となる。
規範
仮執行免脱宣言の申立ては、本案判決と同時に言い渡されるべき判決事項に関する申立てである。したがって、これに対する裁判は口頭弁論に基づきなされる必要があり、申立ては口頭弁論の終結前に陳述されなければならない。
重要事実
上告代理人(控訴代理人)は、仮執行免脱宣言を求める申立書を裁判所に提出した。しかし、当該申立書が提出されたタイミングは、原審における口頭弁論の終結後であった。原審はこの申立てについて裁判を行わず、本案判決を下したため、上告人はこれが裁判の脱漏等にあたる違法なものであるとして上告した。
あてはめ
仮執行免脱宣言は判決の一内容を構成する事項であり、民事訴訟法上の原則に基づき、判決の基礎となる事実や申立ては口頭弁論において顕出されなければならない。本件記録によれば、申立書が提出されたのは口頭弁論の終結後であることが明白である。そうであれば、原審が適法に裁判の対象として受理し、判断を下すための前提となる「終結前の陳述」を欠いているといえる。したがって、原審がこの申立てについて特段の裁判を行わなかったとしても、手続上の違法は存しない。
結論
仮執行免脱宣言の申立ては口頭弁論終結前になされる必要がある。終結後になされた申立てに対し、裁判をしなかった原審の判断に違法はない。
実務上の射程
判決事項(仮執行宣言やその免脱宣言など)の申立て時期を画定する基準を示す。実務上、弁論終結後に新たな申立てや証拠提出を行っても、原則として裁判の基礎とはならないという口頭弁論原則の帰結を確認する際に参照される。
事件番号: 昭和33(オ)103 / 裁判年月日: 昭和35年10月4日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】簡易裁判所における訴えの追加的・予備的変更は、書面を提出することなく口頭で陳述し、相手方が異議を述べない場合には適法に成立する。裁判所がこの予備的請求について認定判断を怠ることは、判決に影響を及ぼす重大な違法(判断遺脱)となる。 第1 事案の概要:上告人は、当初「賃貸借契約終了による建物明渡」を請…