判旨
事実認定に関する不服は、適法な上告理由に当たらない。また、原審が第一審の証拠を引用して行った事実認定は、最高裁においても是認される。
問題の所在(論点)
事実認定の当否を争うことが適法な上告理由となるか、および原審が引用した第一審の証拠に基づく事実認定の妥当性が問題となった。
規範
上告審において、原審(控訴審)が行った事実認定を単に攻撃することは、適法な上告理由には当たらない(民事訴訟法旧401条、現312条・318条参照)。
重要事実
上告人は、本件買収計画の目的地が訴外Dの所有に属していたという原審の事実認定が誤りであると主張して上告を申し立てた。原審は、第一審が掲示した証拠を引用する形で当該事実を認定していた。
あてはめ
上告人の主張は、原審の事実認定を攻撃するものであるが、これは適法な上告理由を構成するものではない。また、原審が引用した第一審挙示の証拠を検討したところ、当該認定は当審においても是認できる内容であると判断される。
結論
本件上告は棄却される。事実認定の誤りを主張する論旨は、適法な上告理由に当たらないためである。
実務上の射程
民事訴訟における上告審の性格を再確認するものである。事後審としての最高裁は、法律審であるため、単なる事実誤認の主張は上告理由とならない。答案上は、上告の適法性を論じる際や、事実認定の拘束力について触れる際の基礎知識として位置づけられる。
事件番号: 昭和27(オ)274 / 裁判年月日: 昭和32年9月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において、第一審または原審(事実審)で主張・判断されなかった事項を新たに主張することは、適法な上告理由とは認められない。また、当事者間に争いがないものとして確定した事実は、上告審での判断の基礎となる。 第1 事案の概要:上告人は、農地買収処分に関する訴訟において、原審で主張していなかった事項…