判旨
継続的な取引から生じる代金債務を保証する場合において、保証すべき債務の極度額や決算期、期間等をあらかじめ特定しなくても、保証契約の効力は妨げられない。
問題の所在(論点)
主たる債務が将来の継続的取引から発生する不特定債務である場合、その限度額や期間の定めがない保証契約は有効か。
規範
将来の不特定の債務を目的とする保証(根保証)契約において、契約締結時に債務の極度額、決算期、または存続期間が確定・特定されていなくても、保証契約は有効に成立する。
重要事実
上告会社(被告)が被上告人(原告)との間で継続的な取引を開始するにあたり、上告人Aは、上告会社が将来負担すべき取引上の代金債務について個人として保証することを約束した。その後、証書によってその事実を明確にしたが、当該保証において、保証すべき債務の限度額や期間などは具体的に定められていなかった。被上告人は、売掛代金の支払を求めて上告人らに対し訴えを提起した。
あてはめ
上告人Aは、取引開始時に将来の代金債務を個人として保証する旨を約束し、後に証書でその事実を再確認している。このような継続的取引に伴う保証において、所論のように極度額や決算期、期間等を具体的に特定していなかったとしても、当事者間に合意がある以上、契約の効力を否定すべき理由はない。
結論
保証債務の極度額や期間等の特定がなくとも保証契約は有効である。したがって、上告人Aは保証債務を免れない。
実務上の射程
本判決は、いわゆる包括根保証の有効性を肯定したものである。もっとも、その後の民法改正(平成16年及び令和2年)により、個人根保証契約については極度額の定めが必須(民法465条の2第2項)となり、極度額のない個人根保証は無効となる点に注意が必要である。法人の根保証や、改正前事案の解釈としては依然として参照価値がある。
事件番号: 昭和30(オ)999 / 裁判年月日: 昭和32年5月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】商法525条(現525条1項)が規定する商事定期行為の解除が認められるためには、当該取引が客観的に、あるいは当事者の意思表示によって、特定の時期に履行しなければ契約の目的を達し得ない性質を有している必要がある。 第1 事案の概要:上告人(買主)と被上告人(売主)との間の代金支払を伴う取引において、…