判旨
賃借権の存続期間が口頭弁論終結時までに経過した場合、特段の主張がない限り、賃借権の存続は過去の法律関係となり確認の利益を欠くほか、賃借権に基づく引渡請求も失当となる。
問題の所在(論点)
訴訟の継続中に賃借権の存続期間が満了した場合において、当該賃借権の確認を求める訴えの利益、および賃借権に基づく引渡請求の成否が問題となる。
規範
確認の訴えは、現在の権利又は法律関係を対象とする必要があり、期間満了等によって消滅した過去の法律関係については、特段の事情がない限り確認の利益を欠く。また、給付の訴えにおいても、その基礎となる権利が判決時までに消滅している場合は、請求を認容することはできない。
重要事実
被上告人は、罹災都市借地借家臨時処理法11条に基づき、本件宅地について昭和31年9月14日までの賃借権を有すると主張し、土地の引渡等を求めて提訴した。しかし、上告審の最終口頭弁論期日である昭和32年12月26日の時点で、当該賃借権の終期はすでに到来していた。被上告人は、期間経過後における賃借権の存続については何ら主張していなかった。
あてはめ
本件における賃借権の終期は昭和31年9月14日であり、当審の最終口頭弁論期日までに既に到来している。被上告人は、期間満了後の賃借権の存続について特段の主張をしていないため、本件賃借権の存続は過去の法律関係に帰している。したがって、確認の訴えについては確認の利益を欠き、引渡請求についてもその根拠となる権利が消滅したため理由がないといえる。
結論
本件賃借権の確認を求める訴えは確認の利益を欠き、引渡請求は失当として棄却されるべきである。
実務上の射程
訴訟の途中で権利が消滅した場合、裁判所は口頭弁論終結時を基準として判断するため、請求棄却や訴え却下の結論を導く際の根拠となる。給付の訴えにおいては、原因となる権利の存続が判決時の要件であることを示す。
事件番号: 昭和42(オ)954 / 裁判年月日: 昭和43年10月8日 / 結論: その他
土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権を時効により取得することができる。