専ら自動車競走場における自動車競走のためにのみ使用されるFJ一六〇〇と呼ばれるいわゆるフォーミュラータイプに属する競走用自動車は、物品税法一条、別表第二種七号2が課税物品として規定する小型普通乗用四輪自動車に該当する。 (反対意見がある。)
FJ一六〇〇と呼ばれるいわゆるフォーミュラータイプに属する競走用自動車と物品税法にいう小型普通乗用四輪自動車
物品税法1条,物品税法別表第2種7号2
判旨
物品税法上の「普通乗用自動車」とは、特殊の用途に供するものではない乗用自動車を指し、その該当性は自動車の性状、機能、使用目的等を総合して判定すべきである。
問題の所在(論点)
専らサーキット走行のみに供され、公道走行不可能なフォーミュラカーが、物品税法別表第二種七号2にいう「普通乗用自動車」に該当するか。特に、競走用という限定的な用途や特殊な構造が「特殊の用途」にあたるかが問題となる。
規範
「普通乗用自動車」とは、特殊の用途に供するものではない乗用自動車をいう。ある自動車がこれに該当するか否かは、当該自動車の性状、機能、使用目的等を総合して判定すべきである。人の移動という乗用目的のために使用されるものであれば、その構造や装置が特定の目的(自動車競走等)に適合させるべく設計された結果として道路走行ができないものであっても、直ちに「特殊の用途」に供するものとはいえない。
重要事実
上告人は、FJ1600と呼ばれるフォーミュラタイプの競走用自動車を製造・販売した。本件各自動車は、道路運送車両法上の保安基準に適合しないため公道を走行できず、専らサーキットでの自動車競走のみに使用されるものであった。課税当局は、本件各自動車が物品税法別表の「小型普通乗用四輪自動車」に該当するとして課税処分を行ったため、その適法性が争われた。
事件番号: 昭和53(行ツ)64 / 裁判年月日: 昭和54年1月30日 / 結論: 棄却
製造場から移出される時において明らかにされた小売価格が現実の小売価格より高いものであつた場合でも、物品税法一三条の適用が否定されると解することはできない。
あてはめ
まず、本件各自動車は、人の移動という乗用目的のために使用される点において、通常の乗用自動車と本質的な差異はない。自動車競走自体、乗用技術を競うものにすぎない。次に、構造や装置が道路走行に適さない点については、競走という目的に適合させるべく設計・製造された結果にすぎず、乗用とは質的に異なる目的(貨物運搬や作業用等)のための特殊な構造を有するものとは認められない。したがって、その性状、機能、使用目的を総合すれば、本件各自動車は乗用以外の特殊の用途に供するものとはいえず、普通乗用自動車に該当すると評価できる。
結論
本件各自動車は物品税法上の「小型普通乗用四輪自動車」に該当し、課税処分は適法である。
実務上の射程
租税法上の用語解釈において、文言の多義的な概念を「性状・機能・使用目的」という多角的な要素から判定する枠組みを示したものである。保安基準等の他法域の規制(行政上の登録可否)に拘束されず、実体的な機能や目的に着目して課税物件を特定する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和40(行ツ)99 / 裁判年月日: 昭和47年5月19日 / 結論: 棄却
一、旧物品税法(昭和一五年法律第四〇号)一八条三項により物品税を徴収される「犯人」とは、法人を含み、かつ、刑事裁判により有罪が確定した者に限られないと解すべきである。 二、関税法(昭和四一年法律第三六号による改正前のもの)一一八条により犯罪貨物が没収され、または没収に代わる追徴金が納付された場合には、右犯罪貨物につき、…