浄化槽清掃業の許可申請者が、浄化槽の清掃により生ずる汚泥等の収集、運搬につき、これに必要な一般廃棄物処理業の許可を有せず、また、他の一般廃棄物処理業者に業務委託すること等により適切に処理する方法も有していない場合には、右許可申請者は、浄化槽法(平成三年法律第九五号による改正前のもの)三六条二号ホの浄化槽清掃業の業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に当たる。
浄化槽清掃業の許可申請者が浄化槽法(平成三年法律第九五号による改正前のもの)三六条二号ホに当たるとされた事例
浄化槽法(平成3年法律第95号による改正前のもの)35条1項,浄化槽法(平成3年法律第95号による改正前のもの)36条2号ホ
判旨
浄化槽の清掃により生ずる汚泥等の収集運搬に必要な一般廃棄物処理業の許可等を有しない者は、浄化槽法上の「業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に当たるとした。
問題の所在(論点)
浄化槽清掃業の許可要件に関し、清掃に伴う汚泥の収集運搬について必要な許可や処理体制を欠いていることが、旧浄化槽法36条2号ホ(現行法41条2項2号ヘ参照)の「業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由」に該当するか。
規範
浄化槽法上の許可等の欠格事由である「業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するか否かは、当該業者が業務を遂行する上で不可欠な関連法令上の許可を有しているか、あるいは適切に業務を処理する客観的体制を整えているかという観点から判断される。
重要事実
上告人は、浄化槽法に基づく浄化槽清掃業の許可を求めたが、清掃の結果生じる汚泥等の収集・運搬について、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物処理業の許可を有していなかった。また、自ら許可を得る以外に、他の一般廃棄物処理業者に業務委託を行うなど、汚泥等を適切に処理するための代替的な方法も確保していない状況にあった。これを受け、行政庁は上告人の申請に対し不許可処分を行った。
事件番号: 平成19(行ヒ)388 / 裁判年月日: 平成21年6月5日 / 結論: 破棄差戻
浄化槽の清掃により引き出される汚泥等の収集運搬に必要な一般廃棄物収集運搬業の許可を有しない者からされた浄化槽清掃業の許可申請につき,浄化槽法(平成16年法律第147号による改正前のもの)36条2号ホ所定の欠格事由に該当することを理由として不許可処分がされた場合において,上記許可申請に係る区域内では浄化槽の清掃と上記汚泥…
あてはめ
上告人は浄化槽清掃に伴う汚泥の収集運搬に必要な一般廃棄物処理業の許可を有しておらず、かつ他者への委託等の適切な処理手段も講じていない。浄化槽清掃業において発生する汚泥の適切な処理は、同業務を適法かつ誠実に遂行するために不可欠な要素である。したがって、汚泥を適切に処理する能力や体制を欠いたまま清掃業を行おうとすることは、業務遂行における不適格性を示す客観的事実といえ、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由があるものと解される。
結論
上告人には浄化槽法所定の欠格事由があるというべきであり、本件不許可処分に違法はない。
実務上の射程
関連する他法令(廃棄物処理法等)の遵守体制が整っていないことが、当該事業法の許可要件(誠実性・適格性)の判断において直接的な考慮要素となることを示しており、行政処分の要件解釈において多角的な法的適格性を審査する際の根拠として活用できる。
事件番号: 平成14(行ヒ)312 / 裁判年月日: 平成16年1月15日 / 結論: 破棄自判
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項1号にいう「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬」とは,当該市町村が自ら又は委託の方法により行う一般廃棄物の収集又は運搬をいい,一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者が行う一般廃棄物の収集又は運搬はこれに当たらない。 2 既存の…
事件番号: 昭和43(行ツ)17 / 裁判年月日: 昭和47年10月12日 / 結論: 破棄差戻
清掃法一五条一項によるし尿浄化槽内汚物取扱業についての不許可処分が、その申請者において申請地域外の汚物をも取り扱つているため、他地域の汚物が申請地域の汚物処理場に持ち込まれるおそれがあり、また、申請地域の汚物の処理にはすでに許可を得ている業者だけで十分であるなど判示のような事情を考慮してされたものであるときは、それによ…
事件番号: 昭和56(あ)1320 / 裁判年月日: 昭和57年9月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】廃棄物の処理及び清掃に関する法律における業の許可制等の規定は、憲法22条の職業選択の自由や憲法14条の法の下の平等に反するものではない。 第1 事案の概要:被告人が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」)に基づき、許可を受けずに廃棄物処理業を行った等として、同法25条1号、26条2号等…
事件番号: 平成23(行ヒ)332 / 裁判年月日: 平成26年1月28日 / 結論: その他
市町村長から一定の区域につき既に一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可又はその更新を受けている者は,当該区域を対象として他の者に対してされた一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分について,その取消訴訟の原告適格を有する。