1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項1号にいう「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬」とは,当該市町村が自ら又は委託の方法により行う一般廃棄物の収集又は運搬をいい,一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者が行う一般廃棄物の収集又は運搬はこれに当たらない。 2 既存の一般廃棄物収集運搬業者等によって一般廃棄物の適正な収集及び運搬が行われてきていることを踏まえて市町村の一般廃棄物処理計画が作成されている場合には,市町村長は,これとは別にされた廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成11年法律第160号による改正前のもの)7条1項に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可申請について廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項2号適合性を審査するに当たり,一般廃棄物の適正な収集及び運搬を継続的かつ安定的に実施させるためには,既存の業者等のみに引き続きこれを行わせることが相当であるとして,当該申請の内容は一般廃棄物処理計画に適合するものであるとは認められないという判断をすることができる。
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項1号にいう「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬」の意義 2 既存の一般廃棄物収集運搬業者等によって一般廃棄物の適正な収集及び運搬が行われてきていることを踏まえて市町村の一般廃棄物処理計画が作成されている場合にこれとは別にされた一般廃棄物収集運搬業の許可申請の内容の同計画適合性
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)6条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成11年法律第160号による改正前のもの)7条1項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項1号,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項2号
判旨
廃棄物処理法7条3項1号の「市町村による収集又は運搬」には許可業者の活動は含まれないが、既存業者により適正な処理がなされている場合、安定継続的な実施のために新規許可を認めないことは同項2号の計画適合性を欠くとして適法となり得る。
問題の所在(論点)
一般廃棄物収集運搬業の許可要件である「市町村による収集運搬が困難であること」(法7条3項1号)に許可業者の活動が含まれるか。また、既存業者の存在を理由に「一般廃棄物処理計画への適合性」(同項2号)を否定できるか。
規範
1. 廃棄物処理法7条3項1号にいう「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬」とは、市町村が自ら又は委託の方法により行うものを指し、許可業者が行うものは含まれない。 2. 市町村長は、許可申請の審査にあたり、既存の許可業者等によって適正な収集運搬がなされ、これを踏まえて処理計画が作成されている場合には、適正な処理を継続的かつ安定的に実施させるため、既存業者のみに引き続き行わせることが相当であるとして、新規申請を「一般廃棄物処理計画に適合しない」(同項2号)と判断することができる。
事件番号: 平成19(行ヒ)388 / 裁判年月日: 平成21年6月5日 / 結論: 破棄差戻
浄化槽の清掃により引き出される汚泥等の収集運搬に必要な一般廃棄物収集運搬業の許可を有しない者からされた浄化槽清掃業の許可申請につき,浄化槽法(平成16年法律第147号による改正前のもの)36条2号ホ所定の欠格事由に該当することを理由として不許可処分がされた場合において,上記許可申請に係る区域内では浄化槽の清掃と上記汚泥…
重要事実
松任市では、事業系廃棄物の収集運搬を、昭和54年以降、唯一の許可業者であるD公社が行ってきた。市の処理計画では、事業系廃棄物は自己処理又は許可業者への委託が求められていた。廃棄物処理業者である被上告人が、新規の収集運搬業許可を申請したところ、市長(上告人)は、既存業者により業務が円滑に遂行されており、新規許可は法7条3項1号及び2号に適合しないとして、不許可処分を行った。
あてはめ
1. 1号要件について:松任市は自ら又は委託により事業系廃棄物の収集運搬を行っておらず、これを行うことが困難でない特段の事情もないため、1号要件は充足する。許可業者であるD公社の活動は「市町村による収集運搬」には当たらない。 2. 2号要件について:松任市ではD公社により円滑な業務遂行がなされている実態に基づき計画が策定されている。上告人が「既存業者で円滑に遂行されている」ことを理由に不許可としたのは、実質的に、継続的・安定的実施のためにD公社のみに継続させるのが相当であるとの判断に基づく。このような判断は、一般廃棄物処理の実施主体としての市町村の責務に照らし、2号要件(計画適合性)の審査において許容される。
結論
本件不許可処分は、法7条3項2号(計画適合性)の適用において適法であり、被上告人の請求は棄却されるべきである。
実務上の射程
行政庁に広範な裁量を認める判例である。1号要件(欠格事由的側面)は厳格に解釈しつつ、2号要件(計画適合性)において既存業者保護や需給調整的な判断を潜り込ませることを肯定した。答案上は、市町村の処理責務と計画策定権限を根拠に、2号要件の解釈として論じるのが適切である。
事件番号: 平成23(行ヒ)332 / 裁判年月日: 平成26年1月28日 / 結論: その他
市町村長から一定の区域につき既に一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可又はその更新を受けている者は,当該区域を対象として他の者に対してされた一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分について,その取消訴訟の原告適格を有する。
事件番号: 昭和43(行ツ)17 / 裁判年月日: 昭和47年10月12日 / 結論: 破棄差戻
清掃法一五条一項によるし尿浄化槽内汚物取扱業についての不許可処分が、その申請者において申請地域外の汚物をも取り扱つているため、他地域の汚物が申請地域の汚物処理場に持ち込まれるおそれがあり、また、申請地域の汚物の処理にはすでに許可を得ている業者だけで十分であるなど判示のような事情を考慮してされたものであるときは、それによ…
事件番号: 平成4(行ツ)122 / 裁判年月日: 平成5年9月21日 / 結論: 棄却
浄化槽清掃業の許可申請者が、浄化槽の清掃により生ずる汚泥等の収集、運搬につき、これに必要な一般廃棄物処理業の許可を有せず、また、他の一般廃棄物処理業者に業務委託すること等により適切に処理する方法も有していない場合には、右許可申請者は、浄化槽法(平成三年法律第九五号による改正前のもの)三六条二号ホの浄化槽清掃業の業務に関…
事件番号: 平成14(行フ)7 / 裁判年月日: 平成15年1月24日 / 結論: その他
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前のもの)15条1項に基づいてされた廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(平成9年政令第353号による改正前のもの)7条14号ハ所定の産業廃棄物のいわゆる管理型最終処分場の設置許可申請に対する知事の不許可処分の取消訴訟において,当該施設の周辺に居住し,当…