廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前のもの)15条1項に基づいてされた廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(平成9年政令第353号による改正前のもの)7条14号ハ所定の産業廃棄物のいわゆる管理型最終処分場の設置許可申請に対する知事の不許可処分の取消訴訟において,当該施設の周辺に居住し,当該施設から有害な物質が排出された場合に生命,身体等に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民は,知事を補助するため訴訟に参加することが許される。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前のもの)15条1項に基づく産業廃棄物のいわゆる管理型最終処分場の設置許可申請に対する知事の不許可処分の取消訴訟において当該施設の周辺地域の住民が知事を補助するため訴訟に参加することの許否
行政事件訴訟法7条,民訴法42条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成9年法律第85号による改正前のもの)15条
判旨
廃棄物処理法に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可申請に対する不許可処分の取消訴訟において、周辺住民は、施設から有害物質が排出された場合に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲内に居住しているときは、民事訴訟法42条の「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」に当たるとした。
問題の所在(論点)
産業廃棄物処理施設の設置不許可処分の取消訴訟において、設置予定地の周辺住民は、民事訴訟法42条にいう「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」として補助参加することが認められるか。廃棄物処理法15条2項の趣旨が、周辺住民の個別的利益を保護するものであるかが問われた。
規範
民事訴訟法42条の「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」とは、当該訴訟の判決が自己の法的地位又は権利義務に影響を及ぼすおそれがある者を指す。行政処分の取消訴訟においては、根拠法令が周辺住民の生命・身体の安全等の利益を個々人の個別的利益として保護する趣旨を含む場合、当該利益を害されるおそれのある住民は、訴訟の結果について法律上の利害関係を有する。
事件番号: 平成12(行フ)3 / 裁判年月日: 平成13年2月22日 / 結論: 破棄差戻
労働者災害補償保険法に基づく保険給付の不支給決定取消訴訟において,事業主は,その事業が労働保険の保険料の徴収等に関する法律12条3項各号所定の一定規模以上の事業である場合には,労働基準監督署長を補助するため訴訟に参加することが許される。
重要事実
廃棄物処理業者である抗告人が、産業廃棄物の管理型最終処分場の設置許可申請に対する不許可処分の取消しを求めて提訴した。これに対し、設置予定地を水源とする水道水や井戸水を飲料水として使用する周辺住民らが、施設設置により生命・健康が損なわれるおそれがあるとして、行政事件訴訟法23条所定の訴訟参加ではなく、民事訴訟法42条に基づき処分行政庁を補助するための補助参加を申し出た。
あてはめ
廃棄物処理法15条2項1号及び2号は、最終処分場の設置による周辺地域の災害発生を未然に防止することを目的としている。管理型最終処分場から有害物質が排出された場合、周辺住民の生命・身体に重大な危害を及ぼす性質を有することに鑑みれば、同条項は、直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民の安全を個別的利益としても保護する趣旨を含む。本件住民らは当該施設の水源地に居住し、汚染により直接的被害を受ける範囲に属することが疎明されているため、判決により不許可処分が取り消され施設が設置されることで、法的利益を侵害される関係にあるといえる。
結論
周辺住民らが、施設から有害物質が排出された場合に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民であると疎明される限り、民事訴訟法42条の「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」に当たり、補助参加が認められる。
実務上の射程
行政処分の取消訴訟における補助参加の許否について、原告の適格(行訴法9条1項)の判断枠組みと同様に、根拠法規の保護利益を検討して判断する実務を確立した。処分を維持させたい住民側が行政庁をサポートする際の有効な手段となり、行訴法23条による参加とは別の、民訴法上の参加形態として位置づけられる。
事件番号: 平成24(行ヒ)267 / 裁判年月日: 平成26年7月29日 / 結論: その他
1 産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民のうち,当該最終処分場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染,水質の汚濁,悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該最終処分場を事業の用に供する施設としてされた産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の許可…
事件番号: 平成14(行ヒ)312 / 裁判年月日: 平成16年1月15日 / 結論: 破棄自判
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)7条3項1号にいう「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬」とは,当該市町村が自ら又は委託の方法により行う一般廃棄物の収集又は運搬をいい,一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者が行う一般廃棄物の収集又は運搬はこれに当たらない。 2 既存の…
事件番号: 平成13(あ)817 / 裁判年月日: 平成14年7月15日 / 結論: 棄却
産業廃棄物の中間処分の許可しか受けていない会社の代表者が,当該会社の業務に関し,産業廃棄物約91.1tを産業廃棄物処理施設の斜面に放出し,その上に残土,真砂土を振りかけ,それらを混合し,地固めするなどして,原状に復するのが困難な状態にした行為は,産業廃棄物をもって上記斜面付近の地表及び地中の一部を形成する状態に至らせて…
事件番号: 平成13(行フ)1 / 裁判年月日: 平成14年2月12日 / 結論: 棄却
行政事件訴訟法22条1項の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対して即時抗告をすることは許されない。