行政事件訴訟法22条1項の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対して即時抗告をすることは許されない。
行政事件訴訟法22条1項の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対する即時抗告の許否
行政事件訴訟法22条
判旨
行政事件訴訟法22条1項に基づく第三者の訴訟参加を認める決定に対し、本案訴訟の当事者が即時抗告をすることは、同法が予定しておらず不適法である。
問題の所在(論点)
行政事件訴訟法22条1項に基づき第三者の訴訟参加を認める決定に対し、本案訴訟の当事者が即時抗告を申し立てることは許されるか。
規範
行政事件訴訟法22条3項は、第三者の訴訟参加の申立てを却下する決定に対する当該第三者の即時抗告のみを規定しており、参加を認める決定に対する訴訟当事者の不服申立てについては規定を置いていない。したがって、法は当該決定に対する当事者の即時抗告を予定していないと解すべきである。
重要事実
本案訴訟の相手方らが行政事件訴訟法22条1項に基づき訴訟参加の申立てを行い、これに対し裁判所が参加を認める決定(原々決定)を下した。この決定を不服として、本案訴訟の当事者である抗告人が即時抗告を申し立てた。
あてはめ
事件番号: 平成6(行ト)61 / 裁判年月日: 平成6年12月16日 / 結論: 棄却
行政事件訴訟法二三条一項(同項を準用する場合を含む。)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対して不服申立てをすることは許されず、このように解しても憲法三二条に違反しない。
行政事件訴訟法22条3項を確認すると、参加申立てを却下された第三者の権利救済のための即時抗告権のみが明文化されている。一方で、参加を認める決定によって当事者が受ける不利益については、同法上、即時抗告によって直ちに是正する仕組みが用意されていない。本件においても、抗告人は本案訴訟の当事者として参加決定に異議を唱えているが、法文の明文規定を欠く以上、かかる申立ては不適法といわざるを得ない。
結論
行政事件訴訟法22条1項による参加決定に対する当事者の即時抗告は、法が予定しない不適法な申立てとして棄却される。
実務上の射程
訴訟参加決定(22条)に対する不服申立ての可否に関する基本的判例である。答案上は、参加を認める決定には当事者の抗告権がないことを簡潔に述べる際に引用する。なお、参加を「却下」された第三者には法22条3項により即時抗告が認められる点との対比に留意が必要である。
事件番号: 平成12(行フ)3 / 裁判年月日: 平成13年2月22日 / 結論: 破棄差戻
労働者災害補償保険法に基づく保険給付の不支給決定取消訴訟において,事業主は,その事業が労働保険の保険料の徴収等に関する法律12条3項各号所定の一定規模以上の事業である場合には,労働基準監督署長を補助するため訴訟に参加することが許される。
事件番号: 平成13(許)2 / 裁判年月日: 平成13年4月26日 / 結論: 棄却
文書提出命令の申立てを却下する決定に対し口頭弁論終結後にされた即時抗告は,不適法である。
事件番号: 平成12(行フ)2 / 裁判年月日: 平成13年2月27日 / 結論: 棄却
1 行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」とは,当該処分又は裁決に関し事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関をいう。 2 国民年金法による障害基礎年金と地方公務員等共済組合法による退職共済年金の併給を受けていた者が,和歌山県知事の補助機関である和歌山東社会保険事務所の担当者に対し,…