行政事件訴訟法二三条一項(同項を準用する場合を含む。)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対して不服申立てをすることは許されず、このように解しても憲法三二条に違反しない。
行政事件訴訟法二三条一項(同項を準用する場合を含む。)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対する不服申立ての許否と憲法三二条
行政事件訴訟法23条1項,憲法32条
判旨
行政事件訴訟法23条1項に基づき行政庁を訴訟に参加させる決定に対しては、同法22条3項の規定を考慮し、不服申立てをすることは許されない。
問題の所在(論点)
行政事件訴訟法23条1項に基づく行政庁の訴訟参加決定に対し、即時抗告等の不服申立てを行うことができるか。また、不服申立てを認めない解釈は憲法32条に違反しないか。
規範
行政事件訴訟法23条1項(または同項を準用する場合)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対しては、即時抗告その他の不服申立てをすることは許されない。この解釈は憲法32条の裁判を受ける権利を侵害するものではない。
重要事実
行政事件訴訟の過程において、裁判所が行政事件訴訟法23条1項に基づき、関係行政庁を訴訟に参加させる決定を行った。これに対し、抗告人らが不服を申し立て、即時抗告を行った事案である。抗告人らは、当該決定に対する不服申立てを認めないことは憲法32条に違反すると主張した。
事件番号: 平成13(行フ)1 / 裁判年月日: 平成14年2月12日 / 結論: 棄却
行政事件訴訟法22条1項の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対して即時抗告をすることは許されない。
あてはめ
行政事件訴訟法22条3項は、第三者の訴訟参加決定に対する不服申立てを禁じている。同法23条1項に基づく行政庁の参加決定についても、22条3項の趣旨が及ぶと解される。訴訟参加決定は中間的な裁定であり、これに対し独立した不服申立てを認めなくても、最終的な終局判決に対する上訴等で争う機会が確保されている限り、裁判を受ける権利を保障した憲法32条には違反しない。したがって、本件における不服申立ては法的に許容されない。
結論
行政庁の訴訟参加決定に対する不服申立ては許されず、本件抗告は棄却される。
実務上の射程
行政事件訴訟における「決定」に対する不服申立ての可否を論じる際、準用される民事訴訟法の規定だけでなく、行訴法独自の不服申立て禁止規定(22条3項)の射程を確認するために用いる。訴訟遅延防止の観点から中間決定への抗告を制限する立法政策の正当性を基礎づける判例である。
事件番号: 昭和26(ク)152 / 裁判年月日: 昭和26年10月2日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法(当時)419条の2に基づき、原決定における憲法解釈の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟法規違背を主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人は、抗告理由の中で「憲法上無効」という文言を用いてはいた…
事件番号: 平成1(行ト)2 / 裁判年月日: 平成元年6月8日 / 結論: 棄却
行政庁を被告とする取消訴訟の管轄を定めた行政事件訴訟法一二条の規定は、憲法三二条に違反しない。
事件番号: 昭和26(ク)144 / 裁判年月日: 昭和26年8月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、更に抗告を申し立てることは法的に許されない。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所によって既になされた決定に対して、重ねて抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所がなした決定に対し、さらに抗告を申し立てることが許されるか(抗告の許容性)…
事件番号: 昭和31(ク)182 / 裁判年月日: 昭和31年7月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】行政機関は法人である自治体の内部機関にすぎず、独立した権利の主体ではないため、自治の権能の侵害を理由とする憲法違反の主張をすることはできない。 第1 事案の概要:抗告人(特定の市の機関)は、原決定が自治の本旨に基づいて当該機関が有する権能を侵し、憲法92条の趣旨に反すると主張して、最高裁判所に抗告…