判例違反の主張が事案異とされた事例
廃棄物法29条
判旨
廃棄物の処理及び清掃に関する法律における業の許可制等の規定は、憲法22条の職業選択の自由や憲法14条の法の下の平等に反するものではない。
問題の所在(論点)
廃掃法14条1項の規定(廃棄物処理業の許可制)が憲法22条(職業選択の自由)に違反するか、また同法25条1号・26条2号等の規定が憲法14条(法の下の平等)に違反するか。
規範
職業の自由を制限する法律の合憲性は、その目的が公共の福祉に合致し、かつ制限の態様が目的達成のために必要かつ合理的な範囲に留まるか否かによって判断される。また、法の下の平等については、合理的理由のない差別的取扱いがなされていないかにより判断される。
重要事実
被告人が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」)に基づき、許可を受けずに廃棄物処理業を行った等として、同法25条1号、26条2号等の罰則規定に基づき起訴された事案。被告人側は、廃掃法14条1項の許可制が憲法22条に、罰則規定等が憲法14条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
裁判所は、廃掃法14条1項の許可制が憲法22条に違反するとの主張、および同法25条1号・26条2号が憲法14条に違反するとの主張について、いずれも原審において主張・判断されていない事項に関する違憲主張であるとした。また、量刑において被告人が会社の実質的経営者であることを考慮した点は、不利益な差別的処遇や社会的身分による差別に当たらないと判示した。
事件番号: 昭和57(あ)552 / 裁判年月日: 昭和60年2月22日 / 結論: 棄却
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物は、工作物の除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類するレンガ片、鉄筋片等の不燃物をいう。 二 家屋等の除去に伴い不要となつたいわゆる廃木材は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物に当たらない。
結論
廃掃法の許可制および罰則規定は憲法22条および14条に違反せず、合憲である。本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決自体は上告理由にあたらないとして棄却した簡潔な決定であるが、廃掃法の許可制(適正な廃棄物処理の確保という目的)が職業選択の自由を制限する合理的な規制であることを前提としている。答案上は、国民の生命・健康の保護という重要な公共の福祉を目的とする消極目的規制に近い性質を持つ規制として、合憲性を肯定する際の根拠として参照できる。
事件番号: 昭和54(あ)1257 / 裁判年月日: 昭和55年11月7日 / 結論: 棄却
産業廃棄物処理業を営む協同組合の業務に関し廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和五一年法律第六八号による改正前のもの)二五条の違反行為をした同組合代表者を処罰するにあたつては、同条のほか同法二九条をも適用すべきである。
事件番号: 平成16(あ)1683 / 裁判年月日: 平成18年2月20日 / 結論: 棄却
工場から排出された産業廃棄物を,同工場敷地内に掘られた穴に投入して埋め立てることを前提に,その穴のわきに野積みした行為(判文参照)は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律16条違反の罪に当たる。
事件番号: 平成13(あ)817 / 裁判年月日: 平成14年7月15日 / 結論: 棄却
産業廃棄物の中間処分の許可しか受けていない会社の代表者が,当該会社の業務に関し,産業廃棄物約91.1tを産業廃棄物処理施設の斜面に放出し,その上に残土,真砂土を振りかけ,それらを混合し,地固めするなどして,原状に復するのが困難な状態にした行為は,産業廃棄物をもって上記斜面付近の地表及び地中の一部を形成する状態に至らせて…
事件番号: 平成17(あ)829 / 裁判年月日: 平成18年1月16日 / 結論: 棄却
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成15年法律第93号による改正前のもの)25条4号にいう「第12条第3項(中略)の規定に違反して,産業廃棄物の処理を他人に委託した」とは,上記12条3項所定の者に自ら委託する場合以外の,当該処理を目的とするすべての委託行為をいう。