一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物は、工作物の除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類するレンガ片、鉄筋片等の不燃物をいう。 二 家屋等の除去に伴い不要となつたいわゆる廃木材は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物に当たらない。
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物の意義 二 家屋等の除去に伴い不要となつた廃木材と廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令一条九号に掲げる産業廃棄物
廃棄物の処理及び清掃に関する法律2条3項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令1条9号
判旨
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令1条9号にいう産業廃棄物とは、工作物の除去に伴い発生した不燃物を指し、家屋撤去に伴う廃木材はこれに含まれない。
問題の所在(論点)
工作物の除去に伴って生じた「廃木材」が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令1条9号に規定される産業廃棄物(がれき類)に該当するか。また、同法25条1号等の構成要件が不明確で憲法31条に違反しないか。
規範
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和58年政令第95号改正前)1条9号に掲げる「産業廃棄物」とは、工作物の除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類するレンガ片、鉄筋片等の不燃物をいうと解すべきである。
重要事実
被告人は、家屋等の除去に伴い不要となった木材(廃木材)を、一般廃棄物処理業の許可を受けずに処理した。検察官は、当該廃木材が産業廃棄物にあたると主張して同法違反で起訴したが、原判決はこれが産業廃棄物に当たらないと判断した。
事件番号: 昭和56(あ)1320 / 裁判年月日: 昭和57年9月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】廃棄物の処理及び清掃に関する法律における業の許可制等の規定は、憲法22条の職業選択の自由や憲法14条の法の下の平等に反するものではない。 第1 事案の概要:被告人が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」)に基づき、許可を受けずに廃棄物処理業を行った等として、同法25条1号、26条2号等…
あてはめ
本件の廃木材は、家屋等の除去に伴い不要となったものであるが、可燃物である。同号が定める産業廃棄物は、コンクリート破片、レンガ片、鉄筋片といった「不燃物」を例示し、これに類するものを指すと解される。したがって、性質の異なる可燃物である廃木材は、同号の産業廃棄物には当たらないと評価される。
結論
廃木材は同号の産業廃棄物には当たらないため、原判断は正当である。また、同法の構成要件は不明確とはいえず、憲法31条には違反しない。
実務上の射程
産業廃棄物の定義を厳格に解釈し、罪刑法定主義の観点から構成要件の明確性を肯定した事例である。現在の廃棄物処理法では分類が細分化されているが、例示列記の解釈手法として参考になる。
事件番号: 昭和55(あ)1454 / 裁判年月日: 昭和56年1月27日 / 結論: 棄却
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律一四条一項ただし書にいう「もつぱら再生利用の目的となる産業廃棄物」とは、その物の性質及び技術水準等に照らし再生利用されるのが通常である産業廃棄物をいう。 二 当時、一般に再生利用されることが少なく、通常、専門の廃棄物処理業者に対し有料で処理の委託がなされていた本件自動車の廃タイヤは、…
事件番号: 平成17(あ)1899 / 裁判年月日: 平成18年2月28日 / 結論: 棄却
一般廃棄物収集運搬行の許可を受けた業者が,一般廃棄物たるし尿を含む汚泥と産業廃棄物たる汚泥を混合させた廃棄物を,一般廃棄物と装って市のし尿処理施設の受入口から投入した行為は,その混合物全量について,廃棄物の処理及び清掃に関する法律16条違反の罪に当たる。
事件番号: 平成16(あ)1683 / 裁判年月日: 平成18年2月20日 / 結論: 棄却
工場から排出された産業廃棄物を,同工場敷地内に掘られた穴に投入して埋め立てることを前提に,その穴のわきに野積みした行為(判文参照)は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律16条違反の罪に当たる。
事件番号: 平成9(あ)105 / 裁判年月日: 平成11年3月10日 / 結論: 棄却
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(平成五年政令第三八五号による改正前のもの)二条四号にいう「不要物」とは、自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要となった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案…