抗告許可申立ての対象とされる裁判に法令の解釈に関する重要な事項が含まれるか否かの判断を高等裁判所にさせることとしている民訴法三三七条の規定は、憲法三一条、三二条に違反しない。
抗告許可申立ての対象とされる裁判に法令の解釈に関する重要な事項が含まれるか否かの判断を高等裁判所にさせることとしている民訴法三三七条と憲法三一条、三二条
民訴法337条,憲法31条,憲法32条
判旨
民事訴訟法337条の許可抗告制度において、高等裁判所に許可の判断を委ねることは、審級制度が立法府の裁量に委ねられていることから、憲法31条および32条に違反しない。
問題の所在(論点)
民事訴訟法337条に規定される許可抗告制度において、高等裁判所が抗告の可否を決定する仕組みが、憲法31条(適正手続の保障)および32条(裁判を受ける権利)に違反するか。
規範
下級裁判所の裁判に対し最高裁判所への不服申立てを認めるか否かの審級制度の設計は、憲法81条(違憲審査権)の規定に関わる場合を除き、原則として立法の適宜の裁量に委ねられる。
重要事実
抗告人は、民事訴訟法337条が「法令の解釈に関する重要な事項が含まれるか否か」の判断を高等裁判所に委ね、その許可を抗告の要件としている点について、裁判を受ける権利(憲法32条)や適正手続き(同31条)に違反すると主張して抗告した。
事件番号: 平成10(ク)699 / 裁判年月日: 平成11年3月12日 / 結論: 棄却
高等裁判所のした保全抗告についての決定は、許可抗告の対象となる。
あてはめ
審級制度の構成は立法裁量に属する事柄である。民訴法337条は法令解釈の統一を目的として設けられた制度であり、最高裁へのアクセスの門口を高等裁判所の判断に委ねることは、同条が目的とする法令解釈の統一という公益的観点に照らし、合理的な立法裁量の範囲内にあると解される。
結論
民訴法337条は憲法31条および32条に違反しない。したがって、本件許可抗告の申立ては棄却されるべきである。
実務上の射程
裁判を受ける権利(32条)が、全ての級における裁判を保障するものではなく、審級構成が立法裁量事項であることを示す際の論拠として用いる。許可抗告制度の合憲性を基礎づける指導的判例である。
事件番号: 昭和31(ク)47 / 裁判年月日: 昭和31年3月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告を特別抗告のみに限定することは立法政策の問題であり、憲法32条に違反しない。また、審級制度の構成は憲法81条の場合を除き立法府の裁量に委ねられている。 第1 事案の概要:抗告人らが、高等裁判所のなした決定に対し最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人は憲法違反を主張の根拠とし…
事件番号: 昭和37(ク)101 / 裁判年月日: 昭和37年5月31日 / 結論: 却下
裁判所法第七条第二号は、憲法第三二条に違反しない。(大法廷昭和二三年三月一〇日判決、同二五年二月一日判決参照)
事件番号: 昭和33(ク)118 / 裁判年月日: 昭和33年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】審級制度の構成は憲法81条が定める違憲審査権の行使を除き、立法府の広範な裁量に委ねられている。したがって、特別抗告の受理に際して原裁判所が憲法違反の主張の有無のみを判断する仕組みも、裁判を受ける権利を定めた憲法32条に違反しない。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所が民事訴訟法(旧法)に基づき、…
事件番号: 昭和31(ク)148 / 裁判年月日: 昭和31年7月26日 / 結論: 棄却
非訟事件手続法第一三二条第二項の規定は憲法第三二条に違反しない。