市の指導要綱に基づき給水契約留保の措置をとり、水道法違反により起訴された市長個人のため、市がその弁護士費用一手数料・着手金)を支出することは、違法な公金の支出に当たる。 (反対意見がある。)
市の指導要綱に基づき給水契約留保の措置をとり水道法違反により起訴された市長個人のため市がその弁護士費用(手数料・着手金)を支出したことが違法な公金の支出に当たるとされた事例
地方自治法232条1項,地方自治法232条の2,地方自治法242条1項,地方自治法242条の2第1項
判旨
普通地方公共団体の長が違法な公金支出命令を行った場合において、住民が地方自治法242条の2第1項4号に基づき、当該長個人に対して損害賠償を請求する住民訴訟は適法である。
問題の所在(論点)
住民が地方自治法242条の2第1項4号に基づき、普通地方公共団体の長個人に対して損害賠償を請求する住民訴訟が適法か。特に、法243条の2(現243条の2の2)所定の職員等の賠償責任に関する手続きが先行すべきか、あるいは同条の適用により住民訴訟が制限されるかが問題となる。
規範
地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟において、公金の支出命令が違法である場合には、当該支出命令を発した普通地方公共団体の長は、同法243条の2(現243条の2の2)に規定される賠償責任の有無にかかわらず、当該普通地方公共団体に対し、民法上の不法行為責任または債務不履行責任に基づく損害賠償責任を負う。
重要事実
武蔵野市長(上告人)が、武蔵野市の公金を支出する命令を発した。これに対し、同市の住民(被上告人ら)は、当該公金の支出命令が違法であると主張し、地方自治法242条の2の規定に基づき、市に代位して市長個人に対し損害賠償を求める訴えを提起した。市長側は、普通地方公共団体の長の賠償責任についても法243条の2の規定が適用されるべきであり、住民が直接代位して訴訟を提起することは許されないと主張して、訴えの不適法を訴えた。
あてはめ
本判決の多数意見は、特段の制限を設けることなく原審の判断(訴えを適法とし、賠償責任を認めたもの)を正当として是認した。反対意見は法243条の2の適用を理由に不適法とするが、法242条の2第1項4号は、当該職員等(長を含む)に対して「損害賠償の請求をすることを求める」訴訟を認めており、長の違法な支出命令によって団体に損害が生じた場合には、民法上の責任を追及する手段として本件訴訟を提起することは法が想定する適法な訴えといえる。
結論
本件訴えを適法とした原審の判断は正当であり、市長に対する損害賠償請求を認めた判断に違法はない。
実務上の射程
普通地方公共団体の長が支出命令者として関与した事案において、住民訴訟(4号請求)の形式で長個人の賠償責任を追及できることを確認した判例である。答案上は、住民訴訟の適法性(客観訴訟としての性質)や、法243条の2の2との関係が問題となる場面で、長の責任追及を肯定する根拠として活用する。
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