必要的共同訴訟の共同訴訟人の一人が上告を提起したのちに他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
必要的共同訴訟と二重上告
民訴法62条1項,民訴法231条,民訴法378条,民訴法396条
判旨
共有物分割請求の訴えは固有必要的共同訴訟であり、共同被告のうち一人が既に上告を提起している場合に、他の被告が重ねて上告を提起することは二重上告となり不適法である。
問題の所在(論点)
固有必要的共同訴訟において、一人の共同訴訟人が既に上告を提起している場合に、他の共同訴訟人が同一の請求について重ねて上告を提起することが許されるか(二重上告の可否)。
規範
合一確定が要求される固有必要的共同訴訟において、一部の共同訴訟人によって既に有効な上告がなされ、当該訴訟全体が上級審に継続している場合、他の共同訴訟人が同一の請求について重ねて上告を申し立てることは、二重起訴の禁止の趣旨に照らし、不適法な二重上告となる。
重要事実
共有物分割請求の訴えにおいて、共同被告の一人であるBが既に上告を提起していた。その後、別の共同被告である上告人(A)も本件上告を提起した。また、上告人は共有物分割請求以外の請求部分についても上告したが、これについては上告理由書を提出しなかった。
あてはめ
本件共有物分割請求は、性質上、共有者全員について合一に確定すべき固有必要的共同訴訟である。Bによる上告提起により、本件訴訟は共有者全員との関係で一体として上告審に継続しているといえる。そのため、上告人が改めて提起した本件上告のうち共有物分割請求に関する部分は、既に継続中の訴訟と重複する二重上告に該当し、不適法である。また、その他の請求については上告理由書の不提出により不適法となる。
結論
本件上告は二重上告または上告理由書不提出により不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
固有必要的共同訴訟において、共同訴訟人の一人が行った上告の効力が他の共同訴訟人全員に及ぶ(上訴不可分の原則)結果、後続の上告が「二重上告」として排除されることを確認した事例である。実務上、上訴期間内に他の共同訴訟人が既に適法な上訴を行っているかを確認する必要性を示唆している。
事件番号: 昭和59(オ)1382 / 裁判年月日: 昭和62年7月17日 / 結論: 棄却
甲の乙に対する訴訟の係属後にされた甲の丙に対する訴訟を追加して提起する旨の申立ては、両訴訟につき民訴法五九条所定の要件が具備する場合であつても、乙に対する訴訟に当然に併合される効果を生ずるものではない。