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民訴法二三一条が禁止する二重起訴にあたるとされた事例
民訴法231条
判旨
係属中の別訴がある場合に、同一の訴えを提起することは二重起訴にあたり、不適法として却下されるべきである。
問題の所在(論点)
既に係属中の別訴がある状況で新たに訴えを提起することが、民事訴訟法142条(重複起訴の禁止)に抵触し、不適法となるか。
規範
民事訴訟法142条が規定する重複起訴の禁止の原則により、裁判所に係属する事件については、当事者は更に訴えを提起することができない。この規定は、裁判の抵触を防止し、かつ相手方の応訴の負担及び訴訟運営上の不経済を回避することを趣旨とする。したがって、後訴の訴訟物が前訴の訴訟物と同一、あるいは矛盾抵触の関係にある場合には、後訴は不適法として却下される。
重要事実
上告人は、既に別訴が裁判所に係属しているにもかかわらず、本件訴訟(本訴)を提起した。原審は、この本件訴えの提起が二重起訴にあたると判断し、訴えを不適法として却下する判決を下した。これに対し、上告人が原審の判断に違法があるとして上告した事案である。
あてはめ
本件において、上告人が提起した本訴は、既に係属中の別訴と実質的に同一の紛争を対象とするものであり、二重起訴に該当すると解される。原審が示した、二重起訴にあたり不適法として却下すべきであるとの判断に、法令の解釈・適用上の違法は認められない。上告人の主張は独自の解釈に基づくものであり、採用の余地はない。
結論
本件訴えの提起は二重起訴にあたり不適法であるため、上告を棄却し、却下とした原判決を維持する。
実務上の射程
本判決は、重複起訴の禁止という基本原則を確認したものである。答案上では、前訴と後訴の訴訟物の同一性や、矛盾抵触の有無を検討する際の根拠として本条を明示し、手続きの安定と効率性の観点から論じる。なお、具体的基準は本判決文からは不明であるが、一般に当事者と訴訟物の同一性で判断される。
事件番号: 平成8(オ)1049 / 裁判年月日: 平成12年4月21日 / 結論: 棄却
甲が乙との間の特定の商品の売買取引に基づき乙に対して現に有し又は将来有することのある売掛代金債権を目的として丙との間で譲渡の予約をした場合、譲渡の目的となるべき債権は、甲の有する他の債権から識別ができる程度に特定されているということができる。