書留郵便に付して送達した決定に対する特別抗告の受理手続において、原裁判所が、抗告申立が、右郵便の発送から五日を経過していることを理由にこれを却下したのは正当であつて、右却下が憲法三二条に違反するとの上告理由はその前提を欠く。
原裁判所がした特別抗告却下決定が憲法三二条に違反するとの論旨を前提を欠くとして排斥した事例
憲法32条,民訴法173条,民訴法419条ノ2,民訴法399条1項1号
判旨
郵便送達が不能となった場合の書留郵便に付する送達においては、発送の時に送達の効力が生じるため、抗告期間の起算点も発送時となり、これを超えた不服申立ては不適法となる。
問題の所在(論点)
郵便送達が不能となった場合の書留郵便に付する送達において、送達の効力が発生する時期はいつか。また、それを前提とした抗告期間徒過の判断に憲法違反の瑕疵があるか。
規範
民事訴訟法(旧法173条、現行法107条3項)に基づく書留郵便等に付する送達(付随的送達)においては、発送の時に送達があったものとみなされる。したがって、不服申立期間等の法定期間は、当該郵便物の発送時から起算される。
重要事実
抗告人は、裁判官忌避申立て却下決定に対し、特別抗告を申し立てた。原審は、当該却下決定の正本を郵便送達に付したが送達不能となったため、昭和47年1月20日に書留郵便に付して発送した(付随的送達)。抗告人が本件特別抗告を申し立てたのは、同年1月29日であった。原審は抗告期間の徒過を理由に抗告を却下し、これに対し抗告人が最高裁判所に抗告を申し立てた事案である。
事件番号: 昭和36(し)49 / 裁判年月日: 昭和36年11月29日 / 結論: 棄却
申立人に対する広島高裁松江支部昭和三六年(う)第三七号窃盗、封印破棄、傷害被告事件について、昭和三六年九月二一日広島高等裁判所がした裁判官忌避申立却下決定に対する異議申立の棄却決定に対し、特別抗告の申立があつたが、本件記録によれば、原決定の謄本が申立人に送達されたのは昭和三六年九月二四日であるから、申立人が特別抗告をす…
あてはめ
本件では、当初の郵便送達が不能であったため、適法に書留郵便による発送がなされている。この場合、条文の規定(旧法173条)により「発送の時」に送達の効力が生じる。昭和47年1月20日の発送時に送達があったとみなされる以上、同月29日の申立ては5日の抗告期間(旧法)を徒過していることが明らかである。したがって、期間徒過を理由とする原審の認定に違法はなく、これを前提とする憲法違反の主張も失当である。
結論
本件抗告は、最高裁判所に抗告を申し立てることができる正当な理由(民訴法419条の2所定の事由)に当たらないため、不適法として却下される。
実務上の射程
送達の効力発生時期に関する実務上の基本原則を確認するものである。付随的送達(現行法107条)がなされた場合、現実の到達を待たずに発送時に期間が進行し始めるという、期間管理上の厳格な帰結を答案作成や実務において留意すべきである。
事件番号: 昭和26(ク)45 / 裁判年月日: 昭和26年6月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に抗告を申し立てる場合には、民事訴訟法第419条の2に基づき、送達を受けた日から5日以内に申し立てなければならず、これを超えた申し立ては不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が昭和26年2月27日に行った決定に対し、最高裁判所への抗告を申し立てた。当該決定は…
事件番号: 昭和41(ク)16 / 裁判年月日: 昭和41年12月7日 / 結論: 却下
民訴法第一七〇条第一項に従つて送達を受けるべき場所および送達受取人の届出をしなかつた抗告人に対し、抗告棄却決定を書留郵便に付して送達したことに、何らの違法はなく、また、送達事務取扱上の過失もない(同法第一七三条の適用上、右発送の日に送達の効果が生じ五日の特別抗告期間が進行するから、現実に郵便が到達した日は右抗告期間満了…
事件番号: 昭和26(ク)139 / 裁判年月日: 昭和26年10月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律により特に最高裁判所への抗告が許された場合に限られ、その期間は5日である。本件抗告は送達から5日の不変期間を経過した後に申し立てられたものであるため、不適法として却下される。 第1 事案の概要:1. 東京高等裁判所が昭和26年6月20日に決…
事件番号: 昭和46(ク)436 / 裁判年月日: 昭和47年2月8日 / 結論: その他
(省略)