高等裁判所が補助参加の許否に関する裁判を判決の形式で行った場合には、右判決に対する上告についての最高裁判所の審理の対象は、民訴法四一九条ノ二所定の抗告理由の有無の範囲に限られる。
高等裁判所が判決の形式でした補助参加の許否に関する裁判に対する上告と最高裁判所の審理の対象
民訴法66条,民訴法393条,民訴法419条ノ2,裁判所法7条2号
判旨
本来決定ですべき補助参加却下を判決で行った場合、手続的に慎重な判決形式であれば無効ではないが、上告審での審理対象は本来の抗告理由に限定される。また、控訴審で全部勝訴した当事者は、たとえ第1審の判決理由等に不満があっても、上告の利益を有しない。
問題の所在(論点)
1. 本来「決定」で行うべき裁判(補助参加の許否)を「判決」の形式で行った場合の効力および不服申立ての審理範囲。 2. 全部勝訴した当事者に上告の利益が認められるか。
規範
1. 本来決定で裁判すべき事項につき判決で裁判しても、より慎重な手続により当事者に不利益がない限り、これのみを理由に破棄すべきではない。ただし、その上告審における審理対象は、本来認められる抗告理由(旧民訴法419条の2等)の範囲に限定される。 2. 控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、不服を申し立てるべき「上告の利益」を欠くため、上告は不適法となる。
重要事実
1. 第1審が補助参加申立ての却下を独立の決定ではなく終局判決中で行い、原審(控訴審)もこれを判決で維持したため、参加人が上告した。 2. 第1審において被上告人の請求の一部却下・一部棄却という、行政側(上告人側)に全面的な勝訴の結果が示され、原審も被上告人の控訴を棄却した。これに対し、勝訴した側である上告人らが上告を申し立てた。
事件番号: 平成4(行ツ)120 / 裁判年月日: 平成7年2月23日 / 結論: その他
組合員が存在しなくなったことなどにより労働組合が自然消滅した場合には、その組合が清算法人として存続していたとしても、使用者に対し右組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力は失われ、その結果、右命令の取消しを求める訴えの利益は失われる。
あてはめ
1. 手続の効力:原審が判決形式を採ったことは当事者に不利益を与えないため有効である。不服申立形式も判決に従う点で適法だが、実質は決定に対する不服(抗告)に準じ、審理対象は法令に定める抗告理由の有無に限定される。本件では単なる法令違反の主張に留まり、特別抗告理由等に当たらないため不適法である。 2. 上告の利益:上告人らは第1審で請求棄却等の全部勝訴を得ており、控訴審でもその結果が維持されている。判決の結論において勝訴している以上、たとえ理由等に不服があっても上告による更正を求める利益を欠く。
結論
1. 形式的な不備があっても当事者に不利益がなければ直ちに破棄されないが、上告は抗告理由の範囲に限定され、本件はこれを満たさず不適法である。 2. 全部勝訴した当事者による上告は、上告の利益を欠き不適法である。
実務上の射程
裁判形式の誤り(決定事項を判決で行う等)が直ちに取消事由にならないという手続的適正の判断基準を示す。また、上告の利益の有無を「主文(結論)」を基準に判断する形式的不服説の立場を明確にしており、実務上の上告受理申立ての可否を判断する際の基礎となる。
事件番号: 平成15(行ヒ)109 / 裁判年月日: 平成16年7月12日 / 結論: その他
労働組合の組合員は,使用者が労働組合法7条3号の不当労働行為を行ったことを理由とする救済申立てについて,申立て適格を有する。
事件番号: 昭和61(行ツ)109 / 裁判年月日: 昭和62年4月16日 / 結論: 棄却
一 労働委員会規則四二条二項による意見聴取は、審問に参与した使用者委員及び労働者委員に公益委員会議への出席を求め、その席上で右委員の意見を聴取する方法によるものでなければならない。 二 公益委員会議が労働委員会規則四二条二項に違反し、審問に参与した使用者委員及び労働者委員の意見を聴取しなかつたとしても、それによつて救済…
事件番号: 平成12(行フ)3 / 裁判年月日: 平成13年2月22日 / 結論: 破棄差戻
労働者災害補償保険法に基づく保険給付の不支給決定取消訴訟において,事業主は,その事業が労働保険の保険料の徴収等に関する法律12条3項各号所定の一定規模以上の事業である場合には,労働基準監督署長を補助するため訴訟に参加することが許される。
事件番号: 平成16(行ヒ)50 / 裁判年月日: 平成18年12月8日 / 結論: 破棄差戻
1 労働組合法2条1号所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して労働組合に対する支配介入を行った場合には,使用者との間で具体的な意思の連絡がなくとも,当該支配介入をもって使用者の不当労働行為と評価することができる。 2 労使協調路線を採るA労働組合の組合員である新幹線運転所の指導科長(助…