鉄道高架下施設が土地に定着し、周壁を有し、鉄道高架を屋根としており、永続して営業の用に供することが可能なものであって、その一部分が他の部分とは客観的に区別されていて、独立的、排他的な支配が可能であるときは、右一部分の賃貸借契約には借家法の適用がある。
鉄道高架下施設の一部分の賃貸借契約に借家法の適用があるとされた事例
借家法1条
判旨
鉄道高架下の施設物であっても、土地に定着し、周壁を有し、鉄道高架を屋根として永続的な営業が可能なものは、借地借家法(旧借家法)上の「建物」に該当する。
問題の所在(論点)
鉄道高架下の施設およびその一部を区画した店舗が、借地借家法(旧借家法)にいう「建物」に該当し、同法の適用を受けるか。
規範
借地借家法(旧借家法)上の「建物」に該当するか否かは、①土地への定着性、②外気遮断性(周壁及び屋根の存在)、③用途適合性(永続して営業等の用に供することが可能な構造・状態)といった実態を備えているか、また、一棟の建物の一部については、他と客観的に区別され、④独立的・排他的な支配が可能であるかによって判断すべきである。
重要事実
上告人は、鉄道高架下に設置された施設物の一部である本件店舗を被上告人に賃貸した。本件施設物は、土地に定着し、周壁を有しており、鉄道高架そのものを屋根として利用する構造であった。また、本件店舗は施設物内を区切ったものであるが、隣接部分とはブロックにベニヤを張った壁によって仕切られていた。賃貸人は期間満了に伴い解約を申し入れたが、借家法の適用の有無が争点となった。
あてはめ
本件施設物は、土地に定着し、周壁を有しており、鉄道高架を屋根として代用することで外気遮断性を備えている。また、永続して営業の用に供することが可能な構造であることから、建物の要件(①〜③)を満たす。次に、本件店舗は施設物の一部であるが、ブロックとベニヤ壁により隣接部と客観的に区別されており、独立的・排他的な支配が可能であるといえる(④)。したがって、本件店舗は借家法上の建物に該当し、同法の適用を受ける一単位の建物と評価される。これにより、解約申入れには正当事由が必要となるが、本件ではこれを欠く。
結論
本件店舗は借家法(現借地借家法)上の建物に該当する。したがって、同法の適用により、正当事由のない解約申入れは認められず、上告人の請求は棄却される。
実務上の射程
本判決は、工作物の建物該当性に関するリーディングケースである。「屋根」が鉄道高架という他物であっても、実質的に建物の体をなしていれば建物性が認められる点に射程がある。答案上は、不動産賃貸借の成否や、建物区分所有法の構造上の独立性を検討する際の規範としても準用可能である。
事件番号: 昭和55(オ)781 / 裁判年月日: 昭和56年2月5日 / 結論: 棄却
別荘地の所有者が別荘地の分譲業者との間の土地管理契約に基づかなければ分譲業者の水道等の諸施設を利用することができず、分譲業者も右管理契約に基づく管理費によつて別荘地の維持、管理の経費をまかなつているなど原判示の事実関係のもとにおいては受任者である分譲業者から一方的に右管理契約を解約することができない。
事件番号: 昭和36(オ)1378 / 裁判年月日: 昭和40年9月22日 / 結論: その他
商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業の目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要なる一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業…