定期金の給付を命ずる仮処分の執行で,仮処分命令の送達の日より後に支払期限が到来するものについては,民事保全法43条2項の期間は,当該定期金の支払期限から起算する。
定期金の給付を命ずる仮処分の執行と民事保全法43条2項
民事保全法43条2項
判旨
定期金の給付を命ずる仮処分の執行について、仮処分命令の送達の日より後に支払期限が到来するものについては、民事保全法43条2項の執行期間は、送達の日からではなく、当該定期金の支払期限から起算する。
問題の所在(論点)
定期金の給付を命ずる仮処分について、仮処分命令の送達後に支払期限が到来する場合、民事保全法43条2項に定める「2週間」の執行期間をいつから起算すべきか。支払期限未到来の債権についても送達時を起算点とすべきかが問題となる。
規範
民事保全法43条2項の執行期間の規定は、定期金の給付を命ずる仮処分の執行についても適用される。ただし、仮処分命令の送達の日より後に支払期限が到来する定期金については、例外的に、送達の日からではなく当該「定期金の支払期限」から執行期間を起算すべきである。
重要事実
定期金の支払を命ずる仮処分命令が発せられた。当該命令の中には、送達の日よりも後に支払期限が到来するものが含まれていた。これに対し、仮処分命令の送達の日から2週間(民事保全法43条2項)を経過した後に執行の申立てがなされたため、執行期間の徒過が問題となった(詳細は判決文からは不明)。
事件番号: 平成28(許)46 / 裁判年月日: 平成29年10月10日 / 結論: 破棄自判
債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして第三債務者から金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となる。
あてはめ
民事保全法43条2項が「命令の送達の日から2週間」とする趣旨は、債務者の状態の変化により執行の必要性が失われることを防ぐ点にある。しかし、定期金給付仮処分において将来の支払期限を定めている場合、期限未到来の段階では執行そのものが不可能である。したがって、送達時に一律に起算点を固定すると、将来の定期金について執行期間が直ちに徒過することになり不当である。ゆえに、送達後に期限が到来する分については、現実に執行が可能となる「支払期限」を起算点とするのが合理的であるといえる。
結論
定期金の給付を命ずる仮処分の執行は、送達後に支払期限が到来するものについては、当該支払期限から執行期間を起算する。
実務上の射程
定期金給付を命ずる仮処分の執行手続において、申立時期の適否を判断する際の基準となる。特に将来の給付を命ずる構成をとる場合、送達から2週間経過後であっても、各支払期限から2週間以内であれば執行申立てが可能であることを明確にした点で実務上の意義が大きい。
事件番号: 平成18(許)13 / 裁判年月日: 平成18年9月11日 / 結論: 棄却
強制執行を受けた債務者が,その請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合には,執行抗告又は執行異議の方法によることはできず,請求異議の訴えによるべきである。
事件番号: 令和4(許)13 / 裁判年月日: 令和5年3月29日 / 結論: 破棄差戻
第三債務者が差押命令の送達を受ける前に債務者との間で差押えに係る金銭債権の支払のために電子記録債権を発生させた場合において、上記差押えに係る金銭債権について発せられた転付命令が第三債務者に送達された後に上記電子記録債権の支払がされたときは、上記支払によって民事執行法160条による上記転付命令の執行債権及び執行費用の弁済…
事件番号: 昭和26(ク)53 / 裁判年月日: 昭和26年6月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立期間は、民事訴訟法(旧法)の規定に照らし、決定の送達を受けた日から5日以内である。この期間を徒過してなされた抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、大阪高等裁判所が昭和26年2月24日になした決定について、同年3月2日に送達を受けた。しかし、本件抗告状…
事件番号: 昭和26(ク)183 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、民事訴訟法により特に最高裁判所への抗告が許された場合に限られる。したがって、最高裁判所に対する抗告期間については、民訴法第419条の2に基づき、送達の日から5日以内と解すべきである。 第1 事案の概要:大阪高等裁判所が昭和26年8月18日に下した決定が、…