再審請求を棄却した抗告審の決定に対する再抗告は,民訴法332条所定の即時抗告期間内に申し立てなければならない。
再審請求を棄却した抗告審の決定に対する再抗告の申立て期間
民訴法330条,民訴法332条,民訴法345条,民訴法347条
判旨
再抗告の申立期間は、その対象となる決定が即時抗告または通常抗告のいずれの性質を有するかによって定まり、再審請求棄却決定に対する再抗告は即時抗告期間内に申し立てる必要がある。
問題の所在(論点)
再審請求を棄却する決定に対する不服申立てとしての再抗告について、その申立期間が即時抗告期間内に制限されるか。換言すれば、再抗告の申立期間を決定する基準は何か。
規範
再抗告の申立期間については、再抗告の対象となる決定の内容が、即時抗告または通常抗告のいずれの抗告によるべき性質のものであるかによって定まる。民事訴訟法345条2項および347条に基づき、再審請求を棄却した決定は即時抗告によるべき性質を有する。したがって、当該決定に対する再抗告は、民訴法332条所定の即時抗告期間(原則として1週間)内に申し立てなければならない。
重要事実
1. 簡易裁判所の再審請求却下決定に対し、原々審(地方裁判所)は平成15年10月9日に再審請求を棄却する決定(原々決定)を行い、同月20日に相手方へ決定正本が送達された。 2. 相手方は、同年10月28日に原々審に対し再抗告(本件再抗告)を申し立てた。 3. 原審はこれを受け、原々決定を取り消して再審を開始すべきとの決定をしたが、本件再抗告が適法な期間内になされたかという点について、最高裁が職権で検討した。
事件番号: 平成7(し)166 / 裁判年月日: 平成7年12月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法422条が定める即時抗告の提起期間の妥当性は、専ら立法政策の問題であり、憲法適否の問題ではない。 第1 事案の概要:抗告人は、刑事訴訟法422条が規定する即時抗告の提起期間(本決定当時は3日)の定めについて、憲法に違反する旨を主張して特別抗告を提起した。事案の具体的な背景(どのような裁判…
あてはめ
1. 本件で再抗告の対象となっている原々決定は、再審請求を棄却した決定である。 2. 民訴法上、再審請求に対する裁判が再審裁判所によってなされた場合、その不服申立ては即時抗告によるべきものとされている(同法345条2項、347条)。 3. 本件の原々決定は即時抗告によるべき性質を有する決定であるため、民訴法332条に基づき、送達を受けた日から1週間以内に再抗告を申し立てる必要がある。 4. 相手方は10月20日に送達を受けながら、1週間を経過した10月28日に申し立てており、追完を認めるべき事情もないため、本件再抗告は不適法である。
結論
再審請求棄却決定に対する再抗告は、即時抗告期間内に申し立てなければ不適法となる。本件再抗告は期間経過後になされたため却下されるべきである。
実務上の射程
決定に対する不服申立ての期間を検討する際、対象となる決定が「即時抗告によるべき性質」を有するかを条文(本件では345条2項、347条等)に照らして判断する際の規範となる。答案上は、期間制限の有無を判断する前提として、本判例の「決定の内容が即時抗告によるべき性質のものか」という基準を明示して当てはめる。特に対象となる手続が再審や強制執行等、即時抗告の規定がある場合に有用である。
事件番号: 昭和36(す)287 / 裁判年月日: 昭和36年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所の決定に対する抗告の提起期間は、被告人本人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、被告人本人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人に対し、高等裁判所がなした決定の謄本が昭和36年7月8日に送達された。その後、同年7月12日には弁護人に対しても同決定の謄本が送達され…
事件番号: 平成18(し)82 / 裁判年月日: 平成18年4月24日 / 結論: 棄却
即時抗告の申立てを受理した裁判所は,刑訴法375条を類推適用してその申立てを自ら棄却することはできない。
事件番号: 昭和46(ク)381 / 裁判年月日: 昭和46年12月23日 / 結論: 棄却
特別抗告の期間を五日と定める民訴法四一九条ノ二第二項の規定は憲法三二条に違反しない。
事件番号: 昭和26(し)75 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、更に上級裁判所が存在しないため、これに抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所が昭和26年9月18日になした「再審請求棄却決定に対する抗告棄却の決定」に対し、さらに抗告を申し立てた。これに対し、最高裁判所が当該抗告の適法性を判断し…