北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものは,交際の相手方及びその内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものなどを除き,旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号所定の非公開情報に該当する。(反対意見がある。)
北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものの旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号該当性
旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号
判旨
地方公共団体の交際費支出に関する情報は、相手方が識別される場合、原則として情報公開条例上の非公開情報に該当するが、公然と行われる交際など信頼関係を損なうおそれがない特段の事情がある場合は例外的に公開すべきである。
問題の所在(論点)
地方公共団体の交際費の支出に関する情報(支出目的および相手方氏名等)が、情報公開条例における事務事業の適正な執行に支障を及ぼすおそれがある情報として、非公開情報に該当するか。
規範
1. 自治体の交際事務は、情報公開条例における「事務事業」に該当する。 2. 相手方が識別される交際費情報の公開は、相手方との信頼・友好関係を損ない、交際事務の目的達成や適正な執行に著しい支障を及ぼすおそれがあるため、原則として非公開情報に該当する。 3. もっとも、相手方や内容が不特定多数に知られ得る状態でなされるなど、公開しても信頼関係を損なうおそれがないと認められる例外的な場合には、非公開情報に該当しない。
重要事実
北九州市の局長級職員が支出した交際費(弔意、会費、懇談、御祝、餞別、見舞い、賛助、土産、お礼等)につき、市民団体が公開請求を行った。市側は、支出目的(会費・懇談を除く)および相手方の氏名等が、条例6条6号(意思形成過程)および7号(事務事業執行支障)の非公開情報に当たるとして一部非公開決定を行った。原審はこれを適法としたため、上告人が取り消しを求めて上告した。
事件番号: 平成9(行ツ)152 / 裁判年月日: 平成13年5月29日 / 結論: その他
京都府知事が平成元年度に支出した交際費に係る資金前渡金受払表で交際の相手方が識別され得る情報が記録されているもののうち,個人に対する結婚祝い又は個人に対する受賞祝賀会の祝いに係る祝金に関する情報が記録されている部分は,京都府情報公開条例(昭和63年京都府条例第17号)5条1号及び6号に該当する。
あてはめ
1. 相手方が識別されない文書:公開しても事務事業に支障はないため、非公開情報に当たらない。 2. 相手方が識別される文書: (1) 「弔意」のうち供花・供物は、一般参列者の目に触れる公然たる性質を持つため非公開情報に当たらないが、香典・弔慰金は個別的配慮に基づき金額が秘匿される性質を持つため非公開情報に当たる。 (2) 「会費」は、加入が公知である場合や出席が公然となされ、金額が画一的なものは支障がないため非公開情報に当たらない余地がある。 (3) 「懇談」は、個別的な信頼関係に基づくため原則非公開だが、公式な定例会合等は例外的に公開の余地がある。 (4) 「御祝、餞別、見舞い、賛助、土産、お礼」は、性質上、金額等が個別的に決定され秘匿されるべきものであり、非公開情報に当たる。
結論
相手方が識別されない部分、および「弔意」のうち供花・供物等の公然性の高い情報は公開すべきであるが、秘匿性の高い金銭贈与や個別的な懇談に関する情報は非公開とすることが適法である。
実務上の射程
交際費の公開可否を判断する際のリーディングケースである。画一的に「交際費だから非公開」とするのではなく、支出の態様(公然性・個別性)に着目して個別具体的に支障の有無を判断する枠組みを示しており、答案上は「原則・例外」の構成で事実を評価する際に用いる。
事件番号: 平成10(行ヒ)54 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のための契約の締結等に関する情報を除き,大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 法人その他の団体(国及び地方公…
事件番号: 平成13(行ヒ)18 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議に地下鉄建設事業地域の地元住民の団体に所属する者及び地権者の団体に所属する者が出席したことに関する情報は,同協議が上記各団体に地下鉄建設工事の内容の説明等を行うことなどを目的としていたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1…
事件番号: 平成13(行ヒ)83 / 裁判年月日: 平成15年10月28日 / 結論: その他
1 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方である個人が識別され得る情報のうち交際の相手方及び内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものは,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号ロにより同号の情報に当たらない。 2 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方が識…
事件番号: 平成13(行ヒ)8 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市清掃局の開催した飲食を伴う会合に埋立処分地,清掃工場,清掃事務所等の清掃事業施設等の地元関係者が出席したことに関する情報は,同会合が,上記施設等の稼働,建設計画等に関して地元関係者と内密に個別折衝し,あるいは地元関係者の理解を得るために開催されたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平…