1 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議に地下鉄建設事業地域の地元住民の団体に所属する者及び地権者の団体に所属する者が出席したことに関する情報は,同協議が上記各団体に地下鉄建設工事の内容の説明等を行うことなどを目的としていたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たる。 2 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議に地下鉄建設事業地域の市政協力委員が出席したことに関する情報は,同協議が地下鉄建設工事の円滑な進行を図ることを目的としていたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たる。 3 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議等に民間法人の従業員が出席したことに関する情報は,その出席が当該法人の事業に関する調査等のために職務として行われたなど判示の事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たらない。
1 京都市交通局の開催した協議に地下鉄建設事業地域の地元関係者が出席したことに関する情報が京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たるとされた事例 2 京都市交通局の開催した協議に地下鉄建設事業地域の市政協力委員が出席したことに関する情報が京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たるとされた事例 3 京都市交通局の開催した協議等に民間法人の従業員が出席したことに関する情報が京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号にいう「個人に関する情報」で「公開しないことが正当であると認められるもの」に当たらないとされた事例
京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1号
判旨
行政情報の公開可否において、交際費支出の相手方の氏名や住所、意見交換の出席者情報は、私生活上の平穏を害したり個人の尊厳を損なう恐れがある場合や、信頼関係が損なわれ今後の行政運営に支障を来す場合には、非公開事由に該当する。
問題の所在(論点)
知事交際費の支出相手(氏名・住所等)や会合への出席者情報が、条例上の非公開事由である「個人の権利利益を害するおそれがある情報」または「事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報」に該当するか。
事件番号: 平成13(行ヒ)8 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市清掃局の開催した飲食を伴う会合に埋立処分地,清掃工場,清掃事務所等の清掃事業施設等の地元関係者が出席したことに関する情報は,同会合が,上記施設等の稼働,建設計画等に関して地元関係者と内密に個別折衝し,あるいは地元関係者の理解を得るために開催されたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平…
規範
行政情報公開条例における「個人に関する情報」として非公開とされるのは、特定の個人が識別され得る情報のうち、みだりに他人に知られないことを欲するのが正当であると認められるものをいう。また「行政運営に支障を来す情報」とは、公開により協力者との信頼関係が損なわれ、円滑な情報収集や交渉が困難になるなど、客観的に相当な蓋然性をもって支障が生じるものを指す。
重要事実
Xは、Y(県知事)に対し、知事交際費の支出に係る公文書の開示を請求した。Yは、支出の相手方の氏名、住所、会合の出席者名、会合場所の名称等が含まれる行政情報について、条例の定める非公開事由(個人のプライバシー保護および行政運営への支障)に該当するとして、その一部を非公開とする処分を行った。Xがこの処分の取消しを求めたのが本事案である。
あてはめ
1. 個人の氏名・住所について、これらは特定の個人を識別する情報であり、私生活上の平穏や個人の尊厳に関わるため、公開により個人の正当な利益を害するおそれがある。2. 意見交換会の出席者や要望活動の主体については、これらが公開されると、相手方との信頼関係が破壊され、将来的な要望や情報提供が萎縮する。3. ただし、既に公表されている役職者名や、事務的な調整にすぎない事柄については、公開しても行政運営に具体的な支障が生じるとまではいえない。
結論
知事交際費の相手方の氏名・住所、および特定の目的を持って行われた意見交換の出席者に関する情報は非公開とすることが適法であるが、一部の事務的な情報については公開すべきであり、原判決のうち非公開を不当とした部分は維持される。
実務上の射程
行政情報の公開請求において、プライバシー保護と行政の透明性のバランスを判断する際のリーディングケースである。特に「交際費」という性質上、相手方との信頼関係を重視し、一定の非公開を認める傾向にあるが、機械的に全てを非公開にできるわけではなく、情報の性質ごとに支障の蓋然性を検討する必要がある。
事件番号: 平成13(行ヒ)348 / 裁判年月日: 平成17年7月14日 / 結論: その他
北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものは,交際の相手方及びその内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものなどを除き,旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号所定の非公開情報に該当する。(反対意見があ…
事件番号: 平成9(行ツ)152 / 裁判年月日: 平成13年5月29日 / 結論: その他
京都府知事が平成元年度に支出した交際費に係る資金前渡金受払表で交際の相手方が識別され得る情報が記録されているもののうち,個人に対する結婚祝い又は個人に対する受賞祝賀会の祝いに係る祝金に関する情報が記録されている部分は,京都府情報公開条例(昭和63年京都府条例第17号)5条1号及び6号に該当する。
事件番号: 平成13(行ヒ)83 / 裁判年月日: 平成15年10月28日 / 結論: その他
1 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方である個人が識別され得る情報のうち交際の相手方及び内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものは,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号ロにより同号の情報に当たらない。 2 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方が識…
事件番号: 平成18(行ヒ)50 / 裁判年月日: 平成19年4月17日 / 結論: その他
愛知県の食糧費支出に関する予算執行書等の文書中に愛知県公文書公開条例(昭和61年愛知県条例第2号。平成12年愛知県条例第19号による全部改正前のもの)所定の非公開情報に当たらない公務員の懇談会出席に関する情報とこれに当たる公務員以外の者の懇談会出席に関する情報とが記録され,両情報に共通する記載部分がある場合において,上…