愛知県の食糧費支出に関する予算執行書等の文書中に愛知県公文書公開条例(昭和61年愛知県条例第2号。平成12年愛知県条例第19号による全部改正前のもの)所定の非公開情報に当たらない公務員の懇談会出席に関する情報とこれに当たる公務員以外の者の懇談会出席に関する情報とが記録され,両情報に共通する記載部分がある場合において,上記共通部分に係る記載中にそれ自体非公開情報に該当すると認められる部分が含まれていないという事情の下では,前者の公務員の懇談会出席に関する情報に係る記載部分はすべて公開すべきである。 (補足意見がある。)
愛知県の食糧費支出に関する予算執行書等の文書中に愛知県公文書公開条例(昭和61年愛知県条例第2号。平成12年愛知県条例第19号による全部改正前のもの)所定の非公開情報に当たらない公務員の懇談会出席に関する情報とこれに当たる公務員以外の者の懇談会出席に関する情報とが記録され両情報に共通する記載部分がある場合において前者の公務員の懇談会出席に関する情報に係る記載部分がすべて公開すべきものとされた事例
愛知県公文書公開条例(昭和61年愛知県条例第2号。平成12年愛知県条例第19号による全部改正前のもの)6条1項2号,愛知県公文書公開条例(昭和61年愛知県条例第2号。平成12年愛知県条例第19号による全部改正前のもの)6条2項
判旨
公務員と非公務員が混在する懇談会の出席者情報について、非公開情報に該当しない公務員の識別情報は、公文書内の記載箇所を問わず、また非公務員の情報と共通する記載部分であっても、それ自体を分離して公開すべきである。
問題の所在(論点)
公文書中に非公開情報(非公務員の識別情報)と公開すべき情報(公務員の識別情報)が混在し、かつ共通の記載欄にある場合、公開すべき情報のみを分離して公開しなければならないか。情報の「一体性」を理由に全体を非公開とすることが許されるか。
規範
情報公開条例における部分公開の規定(本件条例6条2項)は、非公開情報とそれ以外の情報が併せて記録されている場合、容易に分離可能で請求の趣旨を損なわない限り、非公開部分を除いて公開することを義務付ける。個人情報として非公開とされるべき部分(非公務員の識別情報等)と、公開されるべき部分(公務員の職務に係る識別情報等)が共通の欄に記載されている場合であっても、公開すべき情報は「最小限の有意な情報」として分離し、これを公開しなければならない。
事件番号: 平成13(行ヒ)18 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市交通局の開催した飲食を伴う協議に地下鉄建設事業地域の地元住民の団体に所属する者及び地権者の団体に所属する者が出席したことに関する情報は,同協議が上記各団体に地下鉄建設工事の内容の説明等を行うことなどを目的としていたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平成3年京都市条例第12号)8条1…
重要事実
住民である上告人が、愛知県に対し、食糧費(懇談会費用等)の支出に関する予算執行書等の公開を請求した。当該文書には、懇談会の相手方として「公務員」と「公務員以外の者」の氏名、所属、職名等が混在して記載されていた。県は、公務員以外の者の情報は個人情報(条例6条1項2号)に該当し、また公務員の情報も非公務員の情報と共通の題名欄等に一体的に記録されており、細分化して公開することはできないとして、一括して非公開決定を行った。原審は、公務員の氏名のみを公開することは情報を細分化することになり許されないとして、県の決定を維持した。
あてはめ
最高裁は、公務員の懇談会出席に関する情報は非公開情報に該当せず、これが文書中のどの箇所(題名欄、執行目的欄等)に記載されているかを問わず公開すべきであるとした。また、非公務員の情報と共通する記載部分であっても、それ自体が非公開情報に該当する部分を除いた残余は、公開すべき公務員の出席情報として公開すべきである。原審のように「情報を細分化することになる」として一括非公開とすることは、部分公開規定の解釈を誤るものである。公務員の氏名等は、それ自体で「有意な情報」であり、分離して公開することが可能である。
結論
公務員の氏名、所属、職名等の出席者情報(公務員以外の者に係る部分を除く)を非公開とした処分は違法であり、当該部分は公開すべきである。
実務上の射程
行政文書の「部分公開」の限界に関する重要判例である。行政側が「一体的な情報であり切り離せない」と主張して全面非公開とする運用に対し、たとえ同一の文章や項目内であっても、意味のある最小単位(氏名等)で切り分けが可能ならば公開を義務付ける。答案上は、個人情報該当性と部分公開(情報公開法6条参照)の論点において、行政側の裁量を狭め、最大限の公開を促す論理として活用する。
事件番号: 平成13(行ヒ)8 / 裁判年月日: 平成16年2月13日 / 結論: その他
1 京都市清掃局の開催した飲食を伴う会合に埋立処分地,清掃工場,清掃事務所等の清掃事業施設等の地元関係者が出席したことに関する情報は,同会合が,上記施設等の稼働,建設計画等に関して地元関係者と内密に個別折衝し,あるいは地元関係者の理解を得るために開催されたという事実関係の下においては,京都市公文書の公開に関する条例(平…
事件番号: 平成10(行ツ)167 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: 棄却
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当た…
事件番号: 平成10(行ヒ)54 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のための契約の締結等に関する情報を除き,大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 法人その他の団体(国及び地方公…
事件番号: 平成12(行ヒ)16 / 裁判年月日: 平成15年12月18日 / 結論: その他
1 広島県公文書公開条例(平成2年広島県条例第1号)9条2号にいう「個人に関する情報」は,個人の思想,信条,健康状態,所得,学歴,家族構成,住所等の私事に関する情報に限定されるものではなく,個人にかかわりのある情報であれば,原則としてこれに当たる。 2 法人(国及び地方公共団体その他の公共団体を除く。)その他の団体を代…