1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当たらない職員の職務の遂行に関する情報とが記録されている場合において,同票の「氏名」欄に記載された職員の氏名が上記各情報に共通して含まれているときは,その氏名は,上記職務の遂行に関する情報に含まれるものとして公開しなければならない。
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報の千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」該当性 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当たらない職員の職務の遂行に関する情報とが記録されている場合におけるこれらの情報に共通する「氏名」欄記載の職員の氏名の公開の要否
千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)12条
判旨
情報公開条例上の「個人に関する情報」は広く個人に関わる情報を含むが、公務員の職務遂行に関する情報は、私事に関する情報が含まれない限り非公開情報には当たらない。また、氏名は私事に関する情報を含まないため、他の私事情報と分離して公開すべきである。
問題の所在(論点)
1. 公務員の職務遂行に関する情報が、条例11条2号の「個人に関する情報」として非公開の対象となるか。 2. 旅行命令票のうち、どの範囲が非公開情報に該当し、どの範囲を分離公開すべきか。
規範
1.「個人に関する情報」とは、私事に限定されず、原則として個人に関わりがある情報を広く指す。 2.しかし、公務員の職務遂行に関する情報は、行政運営の透明性確保という条例の目的に照らし、公務員個人の私事に関する情報が含まれる場合を除き、非公開情報には当たらない。 3.公文書中に非公開情報とそれ以外の情報が併存し、容易かつ趣旨を損なわない程度に分離できる場合は、非公開部分を除いて公開しなければならない。
事件番号: 平成10(行ヒ)54 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のための契約の締結等に関する情報を除き,大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 法人その他の団体(国及び地方公…
重要事実
千葉県立高校の校長が行った校外出張に係る旅行命令票について、住民が公開を請求した。実施機関である県教育委員会は、旅行命令票に記録された情報が千葉県公文書公開条例11条2号の「個人に関する情報」に該当するとして全部非公開決定を行った。当該文書には、氏名のほか、出張の目的・行程、および旅費算定の前提となる「級・号給」等が記載されていた。
あてはめ
1. 本件各公文書は校長の校外出張に係る旅行命令票であり、公務員の職務遂行に関する情報であるから、私事に関する情報を含まない限り、同条の非公開情報には当たらない。 2. 「級・号給」欄の情報は、個人の収入に直結する「私事に関する情報そのもの」であり非公開情報に当たる。 3. 他方、「氏名」欄や出張内容等は、職務遂行の記録であって私事に関する情報を含まない。氏名は非公開部分と共通の内容となるが、それ自体に私性はなく、公開すべき情報と分離して公開することが可能である。
結論
本件処分のうち、個人の私事に関する情報である「給料表の種類」および「級・号給」欄以外の部分を非公開とした部分は違法であり、取り消されるべきである。
実務上の射程
公務員の職務遂行情報は原則公開という法理を確立した重要判例である。答案上は、まず「個人に関する情報」を広汎に定義した上で、公文書公開の目的に基づく限定解釈として「公務員の職務遂行性」を論じ、私事情報の存否を具体的にあてはめる際の基準として用いる。
事件番号: 平成12(行ヒ)16 / 裁判年月日: 平成15年12月18日 / 結論: その他
1 広島県公文書公開条例(平成2年広島県条例第1号)9条2号にいう「個人に関する情報」は,個人の思想,信条,健康状態,所得,学歴,家族構成,住所等の私事に関する情報に限定されるものではなく,個人にかかわりのある情報であれば,原則としてこれに当たる。 2 法人(国及び地方公共団体その他の公共団体を除く。)その他の団体を代…
事件番号: 平成15(行ヒ)295 / 裁判年月日: 平成17年10月11日 / 結論: その他
1 土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報は,公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前のもの)7条の適用により,同価格が地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条の規定による公示価格を規準として算定されたなど判示の事実関係の下においては,旧奈良県情報公開条例…
事件番号: 平成11(行ヒ)145 / 裁判年月日: 平成15年11月21日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)を代表する者又はこれに準ずる地位にある者がその職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,旧新潟県情報公開条例(平成7年新潟県条例第1号。平成10年新潟県条例第40号による改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 …
事件番号: 平成13(行ヒ)348 / 裁判年月日: 平成17年7月14日 / 結論: その他
北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものは,交際の相手方及びその内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものなどを除き,旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号所定の非公開情報に該当する。(反対意見があ…