福岡県財務規則(昭和39年福岡県規則第23号。平成9年福岡県規則第82号による改正前のもの)131条2項が収入及び支出に係る証拠書類の保存の主体を含めた文書管理の方法を別に定めるところにゆだねており,福岡県警察本部総務課,同県議会議員及び同事務局に関する懇談会費及び旅費の支出に係る証拠書類が同県出納事務局から同県警察本部会計課又は同県議会事務局総務課に移管されたなど判示の事情の下においては,公文書不存在決定当時の上記文書管理の方法として定められた規定の内容,文書移管の時期等について審理判断することなく,上記各証拠書類が福岡県情報公開条例(昭和61年福岡県条例第1号。平成9年福岡県条例第62号による改正前のもの)2条1項に規定する開示請求の対象となる公文書である「実施機関において管理しているもの」に当たるとした原審の判断には,違法がある。
福岡県警察本部及び同県議会に関する懇談会費等の支出に係る証拠書類が福岡県情報公開条例(昭和61年福岡県条例第1号。平成9年福岡県条例第62号による改正前のもの)による開示請求の対象となる公文書に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
福岡県情報公開条例(昭和61年福岡県条例第1号。平成9年福岡県条例第62号による改正前のもの)2条,福岡県財務規則(昭和39年福岡県規則第23号。平成9年福岡県規則第82号による改正前のもの)131条
判旨
情報公開条例上の「管理」とは、実施機関が公文書を現実に支配・管理していることを意味する。その該非は、保存の根拠規定、保存に至る手続、保存の方法等の実態を踏まえて判断すべきである。
問題の所在(論点)
情報公開条例上の「実施機関において管理している」公文書(本件条例2条1項)といえるか。特に、財務会計上の権限を有する出納長が所属する知事部局から、条例上の実施機関ではない県警察本部等へ文書が実態として移管されている場合の「管理」の所在が問題となる。
規範
条例上の実施機関による「管理」とは、当該実施機関が公文書を現実に支配・管理していることをいう。具体的には、①当該地方公共団体における保存の根拠規定、②保存に至る手続、③保存の方法等の実態を総合的に踏まえて判断すべきである。
事件番号: 平成11(行ヒ)221 / 裁判年月日: 平成13年12月14日 / 結論: 破棄差戻
1 旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)による公開請求の対象となる公文書の範囲を規定している同条例2条1項にいう「実施機関が管理している」とは,実施機関が公文書を現実に支配,管理していることを意味する。 2 徳島県の予算執行事務の権限が知事に属することから直…
重要事実
福岡県住民である被上告人が、知事(上告人)に対し、県警察本部および県議会に係る支出証拠書類(本件各文書)の開示を請求した。しかし、知事は「実施機関(知事部局)において管理していない」として公文書不存在決定を行った。実際、本件各文書は県財務規則に基づき出納長に送付され決裁を終えた後、出納事務局から県警察本部会計課および県議会事務局総務課へ移管されていた。原審は、財務規則の文言を根拠に、出納長(知事部局の職員)が管理主体であるとして処分を取り消した。
あてはめ
財務規則131条2項は保存主体を明示せず、文書管理の方法を他の規程に委ねている。警察文書規程では支出証拠書類を県警察本部で保存するとされ、知事部局の文書管理規程や通達でも、支出証拠書類は出納事務局以外の所属(主務課)において保管・保存するものとされている。そうすると、本件各文書が既に従前の通知に基づき県警察本部等へ移管されていたのであれば、それは警察本部等が現実に支配・管理しているものといえる。また、移管前であっても、保存すべき機関のために出納事務局が一時的に所持していたにすぎない可能性もある。出納員等が知事部局職員に併任されているという形式的理由のみで、知事が現実に支配・管理していると断ずることはできない。
結論
実施機関が公文書を現実に支配・管理しているかは、文書管理規定の内容や保存の実態を審理して判断すべきであり、直ちに知事の管理を認めた原審の判断には法令違反がある。本件を差し戻す。
実務上の射程
公文書の「管理」概念について「現実的支配」基準を確立した。事務局が形式的に知事部局の一部であっても、規則や運用によって他の独立した機関(警察・議会等)が実態として文書を保存・管理している場合は、知事に対する開示請求の対象外となり得る。答案では、組織図上の所属だけでなく、規則上の保存義務者や備付け場所等の具体的実態を指摘する必要がある。
事件番号: 平成13(行ヒ)118 / 裁判年月日: 平成16年9月10日 / 結論: その他
福井県の各課等が旅費の執行の適否につき調査した結果を整理して作成し,管理している文書は,福井県文書規程(昭和61年福井県訓令第6号。平成12年福井県訓令第8号による改正前のもの)所定の決裁又は供覧の手続を経ていなくとも,同文書を基礎として同県の旅費調査委員会が作成した旅費調査結果等に関する報告書について決裁の手続が終了…
事件番号: 平成13(行ヒ)348 / 裁判年月日: 平成17年7月14日 / 結論: その他
北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものは,交際の相手方及びその内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものなどを除き,旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号所定の非公開情報に該当する。(反対意見があ…
事件番号: 平成10(行ツ)167 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: 棄却
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当た…
事件番号: 平成11(行ヒ)145 / 裁判年月日: 平成15年11月21日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)を代表する者又はこれに準ずる地位にある者がその職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,旧新潟県情報公開条例(平成7年新潟県条例第1号。平成10年新潟県条例第40号による改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 …