1 旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)による公開請求の対象となる公文書の範囲を規定している同条例2条1項にいう「実施機関が管理している」とは,実施機関が公文書を現実に支配,管理していることを意味する。 2 徳島県の予算執行事務の権限が知事に属することから直ちに同県議会議員及び同事務局職員に関する食糧費,議長交際費及び旅費に係る書類が旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)2条1項の規定する公開請求の対象となる公文書である実施機関の職員が職務上作成し又は取得した文書であって実施機関が管理しているものに当たるとした原審の判断には,違法がある。
1 旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)2条1項にいう「実施機関が管理している」の意義 2 徳島県議会議員等に関する食糧費等に係る書類が旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)による公開請求の対象となる公文書に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)2条1項,旧徳島県情報公開条例(平成元年徳島県条例第5号。平成13年徳島県条例第1号による全部改正前のもの)2条3項,地方自治法149条2号,地方自治法149条8号
判旨
情報公開条例上の「公文書」に該当するためには、実施機関の職員が職務上作成・取得したことのみならず、当該実施機関が公文書を現実に支配・管理していることを要する。地方自治法149条8号の規定を根拠に、具体的な保存実態を考慮せず知事の管理権を認めることはできない。
問題の所在(論点)
県議会議員の活動に係る予算執行関連文書が、実施機関である「知事」の管理する公文書(条例2条1項)に該当するか。特に、予算執行権限や法上の総括的保管権限から直ちに「管理」が認められるか。
規範
「公文書」とは、①実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書等であって、②実施機関が管理しているものをいう(本件条例2条1項)。ここでいう「管理」とは、地方自治法149条8号にいう総括的な保管権限とは異なり、各実施機関が当該文書を現実に支配・管理していることを意味する。したがって、文書の保存根拠規定、保存に至る手続、保存方法等の実態に基づき、個別具体的に判断すべきである。
事件番号: 平成13(行ヒ)106 / 裁判年月日: 平成15年6月10日 / 結論: 破棄差戻
福岡県財務規則(昭和39年福岡県規則第23号。平成9年福岡県規則第82号による改正前のもの)131条2項が収入及び支出に係る証拠書類の保存の主体を含めた文書管理の方法を別に定めるところにゆだねており,福岡県警察本部総務課,同県議会議員及び同事務局に関する懇談会費及び旅費の支出に係る証拠書類が同県出納事務局から同県警察本…
重要事実
徳島県住民である被上告人が、徳島県議会議員等に係る食糧費・旅費等の関係書類の公開を知事に請求した。知事は、県議会は条例上の「実施機関」ではないとして不受理処分とした。原審は、知事が予算執行権限を有し、地方自治法149条8号により公文書の保管責任を負うことを理由に、これを知事が「管理」する公文書に当たると判断し処分を取り消したため、知事側が上告した。
あてはめ
本件請求に係る文書のうち「支出負担行為決議書」以外は、予算執行職員が作成したか不明であり、旅費請求書等も当然に取得したとは限らない。また、知事は地方自治法上、公文書保管の総括的責任を負うが、これは条例上の「実施機関としての現実の管理」とは別異の概念である。本件文書は県議会事務局の文書保管庫に独自の規程に基づき保存されている実態がある。そうすると、予算執行権限があることのみをもって、保存実態を検討せずに知事による「管理」を認めることはできない。
結論
原審の判断には法令の違反がある。文書の作成・取得の主体および現実の管理実態についてさらに審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻す。
実務上の射程
情報公開法・条例における「行政文書(公文書)」の該当性判断、特に「行政機関による管理」の意義が問題となる場面で活用できる。組織法上の権限(予算執行権や保管権限)と、情報公開制度上の「現実の支配・管理」を区別し、後者は保管場所や保存規程などの客観的事態から判断すべきとした点に実務上の射程がある。
事件番号: 平成13(行ヒ)348 / 裁判年月日: 平成17年7月14日 / 結論: その他
北九州市の局長の交際費の支出に関する情報で交際の相手方が識別されるものは,交際の相手方及びその内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものなどを除き,旧北九州市情報公開条例(平成元年北九州市条例第22号。平成13年北九州市条例第42号による全部改正前のもの)6条7号所定の非公開情報に該当する。(反対意見があ…
事件番号: 平成2(行ツ)149 / 裁判年月日: 平成6年2月8日 / 結論: 棄却
大阪府水道部が事業の施行のために行った懇談会等に係る支出伝票及びこれに添付された債権者の請求書と経費支出伺は、右懇談会等が事業の施行のために必要な事項についての関係者との内密の協議を目的として行われたものであり、かつ、右文書を公開することによってその相手方等が了知される可能性があることについて、その判断を可能とする程度…
事件番号: 平成13(行ヒ)83 / 裁判年月日: 平成15年10月28日 / 結論: その他
1 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方である個人が識別され得る情報のうち交際の相手方及び内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関するものは,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号ロにより同号の情報に当たらない。 2 知事の交際費に係る公文書に記録されている交際の相手方が識…
事件番号: 平成10(行ツ)167 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: 棄却
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当た…