公立学校教員採用候補者選考審査のうちの教職教養筆記審査の択一式問題とその解答は,受審者の間で過去の出題例を編集した市販の問題集等を用いた受審準備が行われているなど判示の事情の下においては,県の機関又は国等の機関が行う事務事業に関する情報についての非開示事由を定める高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)6条8号に該当しない。
公立学校教員採用選考筆記審査の択一式問題とその解答が高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)6条8号に該当しないとされた事例
高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)6条8号
判旨
教員採用試験の試験問題及び解答について、開示により将来の試験の目的が失われ、または事務の執行に著しい支障を生ずるとは認められないとして、情報公開条例上の非開示事由(試験事務に関する情報)に該当しないと判断した。
問題の所在(論点)
教員採用試験の問題及び解答を公開することが、将来の試験における適正な選考を困難にし、または問題作成事務等の適正な遂行に「著しい支障」を及ぼす情報に該当するか。
規範
試験事務に関する情報が非開示事由に該当するか否かは、当該情報を開示することにより、「事務事業の実施の目的が失われ」または「事務事業の公正若しくは円滑な執行に著しい支障を生ずる」と認められるかという観点から判断すべきである。
重要事実
権利能力なき社団である被上告人が、高知県情報公開条例に基づき、教員採用候補者選考審査(教職教養筆記審査)の問題及び解答が記録された公文書の開示を請求した。これに対し、実施機関である高知県知事(上告人)は、将来の同種試験の適正な実施に支障を及ぼすおそれがあるとして、条例6条8号(試験事務等の適正な遂行)を理由に非開示決定を行った。
事件番号: 平成11(行ヒ)12 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
東京都大田区の小学校児童指導要録の裏面のうち「各教科の学習の記録」欄中の「? 所見」欄,「特別活動の記録」欄及び「行動及び性格の記録」欄には,担任教師が,児童,保護者等に開示することを予定せずに,自らの言葉で,児童の良い面,悪い面を問わず,ありのまま児童の学習意欲,学習態度等に関する全体的評価又は人物評価を記載していた…
あてはめ
第一に、教職教養試験は択一式であり出題範囲が予測されやすい性質を有し、既に市販の問題集等による受験準備が一般化しているため、開示により採用の困難性が増すとはいえない。第二に、過去問との重複回避や良問作成の負担は開示の有無にかかわらず存在するものであり、開示によって問題作成者の確保が困難になるとは認められない。第三に、県内外の受験者間で開示請求権の有無に差異があるとしても、現在の受験準備の状況等に照らせば、選考の公正・円滑な執行に著しい支障が生じるとまではいえない。
結論
本件文書の開示が試験事務の目的達成や公正な執行に著しい支障を及ぼすとは認められないため、非開示事由には該当せず、非開示決定は違法である。
実務上の射程
行政情報の開示における「事務執行への支障」の具体的判断基準を示す。試験問題等の定型的な事務については、既にノウハウが公開されている実態や、作成負担の不変性を重視し、安易な非開示を認めない判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 平成12(行ヒ)334 / 裁判年月日: 平成15年11月21日 / 結論: その他
1 富山県の職員の出勤簿に記録された職員の採用年月日及び退職年月日を示す情報並びにその職員が特定の日に出勤し,又は出張したことを示す情報及びその職員が特定の日に職務専念義務の免除を受け,厚生事業に参加し,又は欠勤したことを示す情報で公務に従事しなかった個別的内容や具体的理由までが明らかになるものではないものは,旧富山県…
事件番号: 平成13(行ヒ)118 / 裁判年月日: 平成16年9月10日 / 結論: その他
福井県の各課等が旅費の執行の適否につき調査した結果を整理して作成し,管理している文書は,福井県文書規程(昭和61年福井県訓令第6号。平成12年福井県訓令第8号による改正前のもの)所定の決裁又は供覧の手続を経ていなくとも,同文書を基礎として同県の旅費調査委員会が作成した旅費調査結果等に関する報告書について決裁の手続が終了…
事件番号: 平成10(行ツ)167 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: 棄却
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当た…
事件番号: 平成9(行ツ)241 / 裁判年月日: 平成13年11月27日 / 結論: 棄却
学校法人が栃木県に提出した前年度収支計算書のうち資金収支計算書及び消費収支計算書における各決算欄の大科目部分並びに貸借対照表における本年度末欄,前年度末欄及び増減欄の各大科目部分に記載された情報は,その分析によって当該法人の競争上の地位を害するような独自の経営上のノウハウ等を看取することが困難であり,その内容が客観的に…