1 富山県の職員の出勤簿に記録された職員の採用年月日及び退職年月日を示す情報並びにその職員が特定の日に出勤し,又は出張したことを示す情報及びその職員が特定の日に職務専念義務の免除を受け,厚生事業に参加し,又は欠勤したことを示す情報で公務に従事しなかった個別的内容や具体的理由までが明らかになるものではないものは,旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 2 富山県の職員の出勤簿に記録された職員が停職処分により特定の日に出勤しなかったことを示す情報は,旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。
1 富山県の職員の出勤簿に記録された職員の採用年月日及び退職年月日を示す情報並びにその職員の特定の日における出勤,職務専念義務の免除,欠勤等を示す情報の旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年 富山県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」該当性 2 富山県の職員の出勤簿に記録された職員が停職処分により特定の日に出勤しなかったことを示す情報の旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」該当性
旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号
判旨
情報公開条例上の「個人に関する情報」の該当性について、公務員の職務遂行に関する情報は原則として非開示情報に当たらないが、停職処分を受けた事実は個人の社会的評価を低下させる私事の情報を含んでいるため、非開示情報に該当する。
問題の所在(論点)
公務員の出勤簿に記載された職、氏名、出勤・出張、職務専念義務免除、欠勤、および停職の各情報は、情報公開条例上の非開示理由である「個人に関する情報」に該当するか。
規範
公務員による公務遂行に関する情報は、当該職員個人の私事に関する情報が含まれる場合を除き、条例にいう「個人に関する情報」として非開示とすることはできない。しかし、公務員の立場を離れた個人としての評価をも低下させる性質を有する情報は、私事に関する情報の面を含むものとして非開示情報に該当する。
事件番号: 平成11(行ヒ)145 / 裁判年月日: 平成15年11月21日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)を代表する者又はこれに準ずる地位にある者がその職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,旧新潟県情報公開条例(平成7年新潟県条例第1号。平成10年新潟県条例第40号による改正前のもの)10条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 …
重要事実
富山県住民が、県立事務所等の職員全員の出勤簿(本件出勤簿)の開示を求めた。出勤簿には「職」「氏名」「採用・退職日」のほか、出勤・出張の状況、職務専念義務免除、休暇(年休、病休等)、さらには懲戒処分である「停職」や「欠勤」の事実が記号等で記録されていた。県は、これらが条例の定める「個人に関する情報で特定の個人が識別され得るもの」に該当するとして、全部を非開示としたため、その取消しが争われた。
あてはめ
1.「職」「氏名」「採用・退職日」は、公務員の地位に関する情報であり、それ自体に私事の情報を含まない。2.「出勤」「出張」は公務に従事したことを示すものであり、「職務専念義務免除」や「欠勤」も具体的理由が記載されない限りは公務遂行に関する情報といえ、私事の情報とはいい難い。3.これに対し「停職」は、懲戒処分を受けたという事実が公務遂行上の非違行為を示すだけでなく、個人としての社会的評価を低下させる性質を持つ。したがって、停職に関する情報は私事に関する情報の面を含んでいるといえる。
結論
「停職」に関する情報は非開示情報に該当するが、その余の「職」「氏名」「出勤」「出張」「職務専念義務免除」「欠勤」等の情報は非開示情報に該当せず、開示すべきである。
実務上の射程
行政機関等個人情報保護法や各自治体の情報公開条例における「個人に関する情報」の解釈指針となる。特に公務員の氏名や勤務実態は原則開示とされる一方で、懲戒処分歴のような、個人の社会的評価・名誉を毀損するおそれのある情報は慎重に保護されるべきという線引きを明確にしている。
事件番号: 平成10(行ツ)167 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: 棄却
1 千葉県の職員の旅行命令票に記録された職員の給料表の種類並びに職務の級及び号給に関する情報は,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 千葉県の職員の旅行命令票に千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号)11条2号の非公開情報に当たる情報とこれに当た…
事件番号: 平成10(行ヒ)54 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
1 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のための契約の締結等に関する情報を除き,大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 2 法人その他の団体(国及び地方公…
事件番号: 平成12(行ヒ)16 / 裁判年月日: 平成15年12月18日 / 結論: その他
1 広島県公文書公開条例(平成2年広島県条例第1号)9条2号にいう「個人に関する情報」は,個人の思想,信条,健康状態,所得,学歴,家族構成,住所等の私事に関する情報に限定されるものではなく,個人にかかわりのある情報であれば,原則としてこれに当たる。 2 法人(国及び地方公共団体その他の公共団体を除く。)その他の団体を代…
事件番号: 平成11(行ヒ)12 / 裁判年月日: 平成15年11月11日 / 結論: その他
東京都大田区の小学校児童指導要録の裏面のうち「各教科の学習の記録」欄中の「? 所見」欄,「特別活動の記録」欄及び「行動及び性格の記録」欄には,担任教師が,児童,保護者等に開示することを予定せずに,自らの言葉で,児童の良い面,悪い面を問わず,ありのまま児童の学習意欲,学習態度等に関する全体的評価又は人物評価を記載していた…