公正取引委員会が,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成11年法律第146号による改正前のもの)7条の2第1項に基づき,個人事業者を組合員とする協業組合に対し課徴金の納付を命ずる場合において,当該協業組合の常時使用する従業員数に各組合員が常時使用する従業員数を加えたものが同条2項に規定する「会社」及び「個人」に関する従業員数の要件に該当するときは,当該協業組合には同項所定の課徴金の軽減算定率が適用される。
個人事業者を組合員とする協業組合に対する私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成11年法律第146号による改正前のもの)7条の2第2項所定の課徴金算定率の適用の有無
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成11年法律第146号による改正前のもの)7条の2第1項,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成11年法律第146号による改正前のもの)7条の2第2項, 中小企業団体の組織に関する法律第2章の2 協業組合
判旨
独占禁止法7条の2第2項(改正前)の課徴金軽減税率の適用について、個人事業者を組合員とする協業組合は、組合固有のものと各組合員固有のものを合わせた常時使用する従業員総数が同項の要件を満たす場合には、同項の類推適用により軽減算定率が適用される。
問題の所在(論点)
独占禁止法7条の2第2項(現行13条等に相当)に規定される軽減算定率の対象が「会社」及び「個人」に限定されている中、これらに含まれない「協業組合」に対して同項を類推適用することができるか。
規範
課徴金軽減規定(独占禁止法7条の2第2項)の趣旨は、事業規模が小さく経済的利得も相対的に小さい傾向にある事業者に対し、適切な算定措置を講ずる点にある。したがって、文言上の「会社」や「個人」に厳密に限定せず、これらと同等の事業規模にある事業者については、同条項の類推適用を認めるべきである。
重要事実
出資金1000万円で設立された、個人事業者を組合員とする協業組合(上告人)が、不当な取引制限(カルテル)を行った。公正取引委員会は、基本算定率(100分の6)を適用して課徴金納付命令を出したが、上告人は自らが「小規模要件」を満たす事業者に当たると主張し、軽減算定率(100分の3)を超える部分の取消しを求めた。
あてはめ
協業組合は、組織実態として大規模事業者に匹敵する経済活動が可能な特質を持つため、組合固有の出資額や従業員数のみで規模を判定するのは適当ではない。しかし、個人事業者を組合員とする協業組合の場合、各組合員が営んでいた事業を基盤としている実態がある。そうであれば、組合固有の従業員数と全組合員の従業員数を合算した総数が、法定の従業員数要件(小規模要件)を満たす場合には、事業規模が小さい企業として軽減規定を適用する合理性が認められる。
結論
個人事業者を組合員とする協業組合には、従業員数の合算値が要件を満たす限り、同条2項を類推適用して軽減算定率を適用すべきである。
実務上の射程
行政法・経済法における「類推適用の可否」を検討する際の素材となる。文言上は限定的に見える規定であっても、制度の趣旨(本件では事業規模に応じた制裁の均衡)に照らし、実質的に同等の状況にある主体への拡張を認める判断手法として重要である。
事件番号: 平成21(行ヒ)348 / 裁判年月日: 平成22年12月17日 / 結論: 棄却
自ら設置した加入者光ファイバ設備を用いて戸建て住宅向けの通信サービスを加入者に提供している第一種電気通信事業者が,他の電気通信事業者に対して上記設備を接続させて利用させる法令上の義務を負っていた場合において,自ら提供する上記サービスの加入者から利用の対価として徴収するユーザー料金の届出に当たっては,光ファイバ1芯を複数…