破産法人の清算中の事業年度の所得に係る法人税について国税徴収法八二条の規定により税務署長がした交付要求は、抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらない。
破産法人の清算中の事業年度の所得に係る法人税についてされた交付要求と抗告訴訟の対象
行政事件訴訟法3条2項,国税徴収法82条
判旨
国税徴収法82条に基づく交付要求は、行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当しない。
問題の所在(論点)
国税徴収法82条に基づく交付要求が、行政事件訴訟法3条2項の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(抗告訴訟の対象となる処分性)に該当するか。
規範
行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
重要事実
破産法人の清算中の事業年度の所得に係る予納法人税について、徴収職員(被上告人)が国税徴収法82条に基づき、破産管財人等に対して交付要求を行った。これに対し、上告人が当該交付要求の取消しを求めて提訴した事案である。
あてはめ
交付要求は、すでに発生している税額の納付を求める手続にすぎず、これによって新たに国民の権利義務を創設し、またはその範囲を画定するものではない。本件における予納法人税に係る交付要求も、法的な権利義務関係を直接左右する公権力の行使としての性質を有しないため、処分性を肯定することはできない。
結論
国税徴収法上の交付要求は行政処分に該当しないため、その取消しを求める訴えは不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
交付要求は配当手続への参加という性質を持ち、実質的な権利確定を伴わないため処分性が否定される。滞納処分の一環であっても、差押えとは異なり、直ちに国民の権利を制限する効果を持たない行為の処分性を検討する際の指標となる。
事件番号: 平成22(行ヒ)124 / 裁判年月日: 平成23年6月14日 / 結論: 破棄自判
市営の老人福祉施設の民間事業者への移管に当たり,その相手方となる事業者の選考のための公募に提案書を提出して応募した者が,市長から,その者を相手方として上記移管の手続を進めることは好ましくないと判断したので提案について決定に至らなかった旨の通知を受けた場合において,上記移管は市と相手方となる事業者との間で契約を締結するこ…
事件番号: 平成8(行ツ)111 / 裁判年月日: 平成9年12月18日 / 結論: 棄却
破産者の財産に対する滞納処分手続において交付要求がされたときは、交付要求に係る請求権に基づき破産宣告前に国税徴収法又は国税徴収の例による差押え又は参加差押えがされている場合を除き、交付要求に係る配当金は、破産管財人に交付すべきである。