人事訴訟事件について検察官が人事訴訟手続法五条一項、二六条に基づき弁論期日に立会い意見を陳述することは、その期日における事件の審理及び判決をするための手続的要件ではない。
人事訴訟事件の弁論期日において検察官が立会ないし意見陳述をしない場合における当該事件の訴訟手続の適否
人事訴訟手続法5条1項,人事訴訟手続法26条
判旨
人事訴訟において、検察官が弁論期日に立ち会い意見を陳述することは、当該期日の審理及び判決をするための手続的要件ではない。
問題の所在(論点)
人事訴訟において、公益の代表者として関与する検察官が弁論期日に立ち会い、意見を陳述することが、当該期日の審理や判決の効力を左右する「手続的要件」に該当するか。
規範
人事訴訟手続法(当時)5条1項、26条に基づく検察官の期日への立会い及び意見陳述は、その期日における事件の審理及び判決をするための有効な手続的要件(有効要件)をなすものではない。
重要事実
人事訴訟事件において、上告人は、検察官が弁論期日に立ち会わず、かつ意見を陳述しなかったことが人事訴訟手続法5条1項及び26条に違反し、判決の手続に違法がある旨を主張して上告した。
あてはめ
事件番号: 昭和30(オ)668 / 裁判年月日: 昭和35年9月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】第一審の裁判長として口頭弁論や証拠調べに関与した裁判官であっても、第一審判決の評決に関与していない場合には、民事訴訟法上の除斥原因である「前に裁判官として事件につき裁判に関与したとき」には該当しない。 第1 事案の概要:本件の上告理由第一点において、原審(控訴審)の裁判長Dは、本件第一審において1…
判旨は、大審院時代の先例(大正9年11月18日判決)を引用し、人事訴訟手続法が検察官の関与を定めている目的を考慮しても、具体的期日への立会い・陳述が欠けることが直ちに手続を無効とする性質のものではないと判断した。したがって、検察官が不在のまま審理・判決が行われたとしても、それ自体が違法な手続となるわけではない。
結論
検察官の立会い・意見陳述は手続的要件ではないため、これを欠いた原審の手続に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
人事訴訟における職権探知主義や公益性の観点から検察官の関与が予定されているが、その関与が欠けても判決の効力には影響しないことを明示した射程の広い判例である。現行の人事訴訟法においても、検察官が被告となる場合の関与(同法9条)等に関して、手続の有効性を考える際の基礎となる。
事件番号: 昭和28(オ)159 / 裁判年月日: 昭和30年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決文には具体的な判旨の記載がないが、原審が認定した事実を基礎とした法律判断を正当として上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:上告人が原審の認定した事実および法律判断を不服として上告を申し立てた事案。なお、具体的な権利関係や紛争の内容については判決文からは不明である。 第2 問題の所在(論…
事件番号: 昭和59(オ)236 / 裁判年月日: 昭和63年3月1日 / 結論: 棄却
第三者の提起する養子縁組無効の訴えは、養子縁組が無効であることによりその者が自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けないときは、訴えの利益を欠く。
事件番号: 昭和29(オ)356 / 裁判年月日: 昭和31年7月19日 / 結論: 棄却
養子縁組届書に届出人の氏名が代書された場合にその事由の記載を欠いても、その届出が受理された以上縁組は有効に成立する。