地方税法三四三条二項、七〇二条二項の規定は、憲法一一条、一三条、一四条、二九条に違反しない。
地方税法三四三条二項、七〇二条二項と憲法一一条、一三条、一四条、二九条
憲法11条,憲法13条,憲法14条,憲法29条,地方税法343条2項,地方税法702条2項
判旨
地方税法343条2項及び702条2項の規定は、憲法11条、13条、14条、29条のいずれにも違反しない。
問題の所在(論点)
地方税法343条2項及び702条2項において、真実の所有者ではなく登記簿上の所有者を納税義務者とすることが、法の下の平等(憲法14条)や財産権(憲法29条)を侵害し違憲となるか。
規範
租税法規の違憲性判断においては、立法府に認められる広範な裁量を尊重すべきであり、その内容が著しく不合理であることが明白でない限り、平等原則や財産権の保障等に反するものとはいえない(昭和30年3月23日大法廷判決の趣旨)。
重要事実
上告人は、固定資産税及び都市計画税の納税義務者を定める地方税法343条2項(登記簿等に所有者として登記・登録されている者を所有者とみなす規定)及び702条2項が、憲法11条(基本的人権の享有)、13条(個人の尊重・幸福追求権)、14条(法の下の平等)、29条(財産権)に違反すると主張して争った。
事件番号: 昭和28(オ)616 / 裁判年月日: 昭和30年3月23日 / 結論: 棄却
一 土地台帳若しくは土地補充課税台帳に一月一日に所有者として登録されている者は、納期において所有権を有しなくてもその年の四月一日に始まる年度の固定資産税の納税義務を負う。 二 地方税法第三四三条および第三五九条は憲法第一一条、第一二条、第一四条、第二九条、第三〇条、第六五条に違反しない。
あてはめ
最高裁は、先行する昭和30年大法廷判決の趣旨を引用し、当該規定が憲法各条に違反しないとした。これは、大量の課税客体を迅速かつ画一的に処理する必要がある固定資産税等の性質上、登記簿という公の帳簿に基づき納税義務者を判定する仕組みは、課税の適正・公平・効率性を図る合理的な手段として立法裁量の範囲内にあると判断したものといえる。
結論
地方税法343条2項及び702条2項は合憲であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は極めて簡潔な形式的判断に留まるが、租税法における立法裁量の広さを前提とした合憲性判断の先例として位置づけられる。答案上は、租税法規の平等原則・財産権適合性を論じる際の引用として有用である。
事件番号: 昭和43(行ツ)10 / 裁判年月日: 昭和49年9月2日 / 結論: 破棄差戻
地方税法七三条の四第一項六号及び三四八条二項一二号所定の「学術の研究を目的とする」法人とは、その定款又は寄附行為の目的条項に日本学術会議法一〇条に定める区分によつて示されるような意味における人文科学及び自然科学の学理的研究並びにその応用に関する研究を行う趣旨を掲げ、かつ、その組織運営及び活動の実体からみて右研究という目…
事件番号: 昭和54(行ツ)82 / 裁判年月日: 昭和54年11月1日 / 結論: 棄却
地方税法七〇〇条の三第二項の規定は、憲法二九条に違反しない。
事件番号: 平成25(行ヒ)35 / 裁判年月日: 平成26年9月25日 / 結論: 破棄自判
土地又は家屋につき,賦課期日の時点において登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合において,賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者は,当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負う。